研究分担者 |
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
清水 洋 九州大学, 理学部, 教授 (50178985)
山岡 耕春 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70183118)
MCNUTT S. R. アラスカ大学, 教授
CHOUET B. A. 米国地質調査所, 研究員
CHRISTENSEN ダグラス Univ. of Alaska, Associate
OKUBO Paul Hawaiian Volcano Observatory, Geophysici
MCNUTT Steph Univ. of Alaska Research, Professor
DIETEL Chris U. S. Geological Survey, Geophysici
DAWSON Phil U. S. Geological Survey, Geophysici
CHOUET Berar U. S. Geological Survey, Geophysici
藤田 英輔 科学技術庁防災科学技術研究所, 地震予知研究センター, 研究員
熊谷 博之 名古屋大, 理学部, 助手 (00260589)
山本 圭吾 京都大学, 防災研究所, 助手 (40283676)
行田 紀也 東京大学, 地震研究所, 助手 (00153263)
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70151719)
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
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研究概要 |
1997年2月,日米両国の火山学者が共同で,ハワイ島キラウエア火山の山頂カルデラ付近で,地震観測を行った.期間は5日間にわたり,地震アンテナと呼ばれるアレイ観測網を3カ所,ハワイ火山観測所が管理している7点の広帯域地震観測点に加えて3点の臨時広帯域地震観測点を設置した.また,120チャンネルのデータロガーを用いた小発破地下構造探査も行った.観測した時期は,キラウエア火山では傾斜変動やマグマの流出といった,地下のマグマの活動が活発は時期であり,観測でもマグマ活動に関係していると思われる信号を捕らえることができた. 1.本観測の期間中,1月から起こっていた傾斜変動のセンスが下がり(山頂にある傾斜計でみたセンス)から上がりに転じたが,その際40秒という超長周期のパルスが観測された.この超長周期のパルスは観測期間中しばしば観測され,パーティクルモーションの解析により,山頂火口の北端直下で起こっていることがわかった.これとは別に,常時起こっている超長周期の振動も広帯域地震観測網で捕らえられた.キラウエア火山における地殻変動は,火口直下のマグマの活動によっておこされていると考えられており,観測された振動もマグマ活動と密接な関係があると考えられる.今後,広帯域地震観測網で得られたデータと傾斜変動のデータをあわせたより詳細な解析により,その発生機構が明らかになることが予想される. 2.地震アンテナによって捕らえられた地震の信号を,MUSIC法等のアレイ解析したところ,発生源が山頂火口周辺であることがわかった.また,見かけ速度の変化,波の到来方向の変化など捕らえられ,山頂付近の地下構造の複雑さが示唆された.ハワイ観測所の定常観測点や広帯域観測網におけるデータを含めた詳細な解析により,キラウエア火山で発生する火山性地震の発生機構,および,山頂火口付近の地下構造を明らかになると考えられる.
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