研究分担者 |
飯田 俊彰 山形大学, 農学部, 助教授 (30193139)
村本 健一郎 金沢大学, 工学部, 教授 (70042835)
上木 勝司 山形大学, 農学部, 教授 (10111337)
YULI Suharno Institut Pertanian Bogor(IPB), Professor
全 浩 中日友好環境保護中心, 総工程師
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 教授 (80092790)
李 敏熙 慶熙大学校, 地球環境研究所, 主任研究員
北村 守次 石川県保健環境センター, 主任研究員
山口 幸祐 島根県衛生公害研究所, 主任研究員
MONTHIP SRIR Environmental Research and Training Cent, Director
金 亨錫 慶熙大学校, 医科大学・韓国, 教授
宮崎 元一 国立公衆衛生院, 研究員 (50009164)
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研究概要 |
金沢市から南へ約50kmのところにある白山は,いまなお広く残されているブナ原生林があり,そして寒冷な気候のため,高山植物が多く,高山帯の面積が狭いわりには種類も多い。かつ北東-南西方向に細長い日本列島において,白山は高山帯を有する山として最も西に位置している。 1. 白山付近の3大ダム湖 このため,白山から30km以内に位置する手取川湖,御母衣湖,及び九頭竜湖の水質等を比較検討することは,白山の環境を知ることにもなる。規模がほぼ同じの3大ロックフィルダム湖の比較調査研究はまだないようであり,これが本年度の研究テーマである。 降雨・雪から考えるに3大ダム湖は白山から30km以内に位置し,標高も740〜480mであるので,降雨量,雪量と,その化学的及び物理的性質もほぼ同程度と思われる。白山山系の降水量であるが,3大ダム近くに地方気象台による地域雨量観測所として御母衣,九頭竜及び白峰観測所がある。昭和58年から平成9年までの15年間のデータであるが,各観測所の年降水量はあまり違っていない。2. 3大ダム湖の水質 御母衣,九頭竜及び手取湖の水質として,手取湖の水質調査は昭和55年度から開始されているので,比較のため同年度からのデータについて検討した。3大湖及び白水湖(白山山頂より約5km,標高1.230m)のpH年平均値であるが,手取湖のpHは年とともに低くなる傾向がある。透明度は手取湖が一番悪く,次に白水,御母衣はほぼ同じであり,九頭竜湖は一番良い。濁度(透過光法)は透明度と反比例の関係になり,手取湖は年度平均で5度以上である。このことはが手取湖が他湖に比較して大きい。BODは,手取湖は小さく,次に九頭竜湖であり,御母衣湖は一番大きい。 3. 3大ダム湖の集水域の植生(分担:村本) 環境庁により,この3大ダム湖の集水域の自然環境保全調査として,植生が調査されている。これを基礎として人工衛星であるランドサットによる近赤外域の反射の10年間の差をみた。この結果,手取湖の集水域の植生が一番良いことがわかった。このため濁度が大きのは上流の甚之助谷等の崩壊に原因があると思われる。
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