研究課題/領域番号 |
08041176
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀田 博 神戸大学, 医学部, 教授 (40116249)
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研究分担者 |
BARZAGA Nina フィリピン大学, 公衆衛生学部, 助教授
APICHARTPIYA シー チェンマイ大学, 医学部, 講師
SOETJIPTO アイルランガ大学, 医学部, 助教授
片山 友子 神戸大学, 医学部, 助手 (10224461)
SOETJIPTO アイルランガ大学, 医学部, 講師
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 分子疫学 / サブタイプ / 変異株 / 東南アジア / G型肝炎ウイルス / Thailand / Philippines |
研究概要 |
インドネシア・スラバヤ周辺在住の健常供血者及び種々の患者グループにおけるC型肝炎ウイルス(HCV)抗体保有状況及び各グループにおけるHCVサブタイプの分布状況について解析した。健常供血者ではHCV抗体陽性率は2.3%と我が国に比べて約2倍高いこと及び肝機能異常者では肝機能正常者に比べて抗体陽性率が5倍と有意に高いことが明らかになった。HCVサブタイプではHCV-2aが最も多く、全体の半数以上(52%)を占めたが、肝機能異常の供血者のみを対象とした場合にはHCVタイプ1に属するウイルス(HCV-1a,1b,1dなど)が多くみられた(43%)。これらの成績は、インドネシアにおいて、輸血後C型肝炎の予防対策を講じるうえで重要な根拠を与えるとともに、HCVサブタイプによる病原性の強さを差異を示唆する興味深い成績であると考えられる。血液透析患者では全体の62%が抗HCV抗体陽性であり、しかもHCVサブタイプ分類ではHCV-1aとHCV-1bがともに31%と最も高かった。このサブタイプ分布状況は、健常供血者や慢性肝疾患患者の場合とは全く異なっており、透析施設内感染により透析患者がハイリスクグループになっている可能性が示唆された。この成績は、血液透析時のHCV感染予防対策の必要性を明確に示した点で、その意義は大きい。慢性肝疾患ではHCV-1bが最も多く(57%)、次いで、HCV-1d(19%)が多く検出された。また、頻度は少ないが、新しいサブタイプ(HCV-3g)の存在も見い出した。また、タイの種々の患者グループにおけるG型肝炎ウイルスの浸淫状況およびHCV感染との相関についても検討した。静脈内麻薬中毒患者の32%、血液透析患者の25%、慢性肝疾患患者の10%にHGVRNAが検出された。健常供血者におけるHGVRNA陽性率は1%であった。HGVRNAFは抗HCV抗体陽性者の24%に、同陰性者の5%に検出され、両グループ間の差は統計学的に有意であった。
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