研究課題/領域番号 |
08041179
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
茂木 幹義 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00039538)
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研究分担者 |
砂原 俊彦 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50264156)
岩佐 光啓 帯広畜産大学, 畜産環境学, 助教授 (00168551)
當間 孝子 (当間 孝子) 琉球大学, 医学部, 助手 (10145526)
倉橋 弘 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (00100074)
宮城 一郎 琉球大学, 医学部, 教授 (50039921)
MOH Sudomo インドネシア厚生省, 保健環境研究所, 研究員
MAKMUR Selom ハサヌディン大学, 公衆衛生学部, 助教授
SYAFRUDDIN ハサヌディン大学, 医学部, 助教授
岡沢 孝雄 金沢大学, 留学生センター, 教授 (70145192)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1996年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 水田開発 / 灌漑 / 森林伐採 / 移民村 / 媒介動物 / 蚊 / ハエ / インドネシア / 原住民村 / 衛生昆虫 / 潅漑 |
研究概要 |
水田開発に伴う衛生動物、特に疾病媒介昆虫の変遷過程と変遷要因を解明するため、2つの作業仮説の下に調査を実施した。仮説1:開発初期の過渡的生態系で媒介動物の大発生がおこりやすい条件が生じる。仮説2:水田開発は農村の生活水準を向上させ媒介動物に接触する機会を滅らす。調査は(1)北スラウェシとセラムの水田開発地域での継続調査、(2)水田開発のことなる段階にある地域間の比較調査を併用した。開発の影響をより明瞭に理解するため、後者には、隔離された先住民村落での衛生動物の調査も含めた。明らかになった主な点は下記の通りである。 (1)水田造成のための森林伐採後の裸地には多数の水たまりができるが、捕食性昆虫が高密度で発生し蚊の発生を抑制する。水田造成は計画通り進行せず2年目には大部分が放置されて荒れ地となり、蚊の発生に適した水域が形成されていた。(2)新造成水田では捕色性昆虫が高密度で発生し蚊の発生を抑制するが、捕食性天敵のいない一部の水田ではハマダラカ密度が著しく高かった。(3)原住民村では人家周辺に蚊の発生源となる容器はなく、移民が入植したばかりの村でも少なかったが、入植後の年数が多い村では容器が増える。移民村での重要な蚊発生場所は排水溝と便漕である。(4)オビキンバエ類の種数は原生林で最も多く、先住民の村でも原生林と同じ種が採集されるが、便所が未整備の一部の新移民村、古い移民村や都市では少数の侵入種が著しい高密度で発生する。(5)イエバエ類は原生林では全く採集されず、入植後長い年数が経過した村ほど多くなった。(6)ツヤホソバエの種は原生林と移民村で全く異なり、移民村の種は全て家畜の導入に伴って侵入した種である。(7)潅漑水田農家と天水田農家で、人家周辺の蚊発生場所の型や数は差がない。前者は裕福だが伝統的生活を維持している。 以上の結果から、仮説は部分的には正しいと思われたが、予想しなかった新事実も明らかになった。 継続調査により水田開発の全過程について衛生動物の変遷とその要因を解明する必要がある。
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