研究分担者 |
LAMOTHE Argu メキシコ国立自治大学, 生物学研究所, 主任研究員
緒方 克己 宮崎医科大学, 講師 (10109647)
古賀 正崇 九州大学, 医学部, 講師 (80136449)
名和 行文 宮崎医科大学, 教授 (10040172)
小島 荘明 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00009622)
ARGUMEDO Lamothe Universidad Nacional Autonama de Mexico, Inst.of Biology, Senior Investigator
ARGUMEDO R.L メキシコ自治大学, 生物研究所, 主任研究員
PAEーDIAZ Cam シナロア自治大学, 理学部, 教授
CRUZーREYES A メキシコ自治大学, 生物研究所, 主任研究員
LAMOTHEーARGU アール メキシコ自治大学, 生物研究所, 主任研究員
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研究概要 |
メキシコにおける新型皮膚爬行症とは最近同国で蔓延している顎口虫症のことである.この顎口虫症は今までタイ国,日本などアジア諸国に分布し,アメリカ大陸には存在しないと思われてきた.しかしこの病気が1970年以降メキシコで流行し始めたのである.そこでメキシコにおけるこの顎口虫症の現状を調べること,免疫診断の術式を確立すること,病気の原因になっている起因種を同定することを目的に日墨共同研究を実施した. その結果,シナロア州,ナヤリット州,ゲレロ州,オアハカ州,ベラクルス州,タンピコ州を中心に患者数は1300人以上に達し,メキシコは今や世界で最も顎口虫症の流行した国になっていた.さらにこの国の顎口虫症は最近の日本の症例に比べ予後が不良であることも解ってきた. またメキシコでは本症の診断は専ら臨床症状に頼ってきたが,日本から持参したドロレス顎口虫の成虫抗原を用いてELISAによる免疫診断が可能になり,今ではシナロア大学で常時免疫診断が実施できるまでに体制が整備された. さらにメキシコで蔓延している顎口虫症の病原体は,アジアには存在しないメキシコ土着の二核顎口虫であることが,私どもの今回の感染実験で明らかになった.本種は野生の食肉類を終宿主とし,アジアに分布する有棘顎口虫に極めてよくに似ているが,受精卵の表面に"へこみ"がないことで有棘顎口虫の虫卵とは容易に区別がついた. また偶然メキシコのオポッサムからオポッサム顎口虫を得たので,その雌雄成虫と虫卵の形態について詳細に観察した.
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