陶磁器文化の交流に関する科学的研究

• 研究課題/領域番号: 08044016
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究分野: 考古学(含先史学)
• 研究機関: 奈良国立文化財研究所
• 研究代表者: 沢田 正昭 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 研究指導部長 (20000490)
• 研究分担者: CORT L.T. スミソニアン研究機構, フリヤー・サックラー美術館, 学芸研究員 ; 巽 淳一郎 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 室長 (10110090) ; 西村 康 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 室長 (80000488) ; 町田 章 文化庁, 文化財保護部, 監査官 (90000471) ; CON L.T. スミソニアン研究機構, フリマー・サックラー美術館, 学芸研究員 ; CORT L.T スミソニアン研究機構, フリアー・サックラー美術館, 室長 ; ZELST L.V スミソニアン研究機構, 保存分析研究所, 所長 ; 三輸 嘉六 文化庁, 文化財保護部, 文化財監査官 ; ZELST L.V. スミソニアン研究機構, 保存分析研究所, 所長 ; 平尾 良光 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (40082812) ; 三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925) ; 斉藤 孝正 文化庁, 文化財保護部・美術工芸課, 文化財監査官 ; 三輪 嘉六 文化庁, 文化財保護部, 文化財監査官
• 研究期間 (年度): 1996 – 1998
• 研究課題ステータス: 完了 (1998年度)
• 配分額: 13,800千円 (直接経費: 13,800千円); 1998年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円); 1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円); 1996年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
• キーワード: 陶磁器 / 陶石 / 釉薬 / 放射化分析 / X線分析 / 古九谷 / 美濃 / 唐津

研究概要

1. 美濃・瀬戸・九谷・唐津などの窯跡出土品と、消費地出土品の資料など、約260点の陶磁器片の分析をおこなった。海外の資料は、ベトナム・タイ・カンボジアなどの陶磁器を収集し、分析した。胎土の、(1)放射化分析では、微量成分の組成比を、(2)蛍光X線分析ではストロンチウム・ルビジウム・ジルコニウムなどの組成成分の定量的測定、(3)X線回折分析では、鉱物組成の分析、そして(4)釉薬や染め付け顔料の定量的分析をおこなった。さらに、(5)スミソニアン研究機構フリヤー美術館所蔵の中国陶磁器の灰釉の鉛同位体比を測定、時代や産地の違いについて検討した。
2. 朝妻窯(福岡県久留米市)、吉田屋窯・宮本屋窯・九谷本窯・山代周辺の窯(石川県加賀市)、元屋敷窯・清安寺窯・定林寺西洞窯(岐阜県土岐市)などの出土陶磁器の分析をおこなった。分析事例(1);山代所在の窯では、同じ位置に所在しても3度にわたって技術集団が交替しており、その違いはルビジウム・ストロンチウムの組成比を分析することで明確にできた。焼成される窯によって釉薬の化学組成が異なる。また、山代窯では陶器と磁器によっても胎土を使い分けていたことが判明。分析事例(2):美濃諸窯と山代の諸窯とでは、釉薬のカルシウムとアルミニウム、コバルトとマンガンの混合割合はそれぞれの窯ごとに異なり、それぞれ固有の数値をもたらすことがわかった。分析事例(3);カンボジア地域のアンコール時代のクメール陶器については、ルンタエック・タニ村所在の窯跡の探査・測量をおこなった際に表面採取した資料を分析。あわせて、フリヤー・サックラー美術館所蔵の資料を実測調査し、比較資料とした。
3. フリヤー・サックラー美術館講堂において、陶磁器資料の化学分析に関する総まとめとして、「国際研究発表会」を開催した(1999年3月8日)。

研究成果

• [文献書誌] 二神葉子・青柳洋治 杉下龍一郎: "ベトナム北部および中部から出土した青磁の化学組成の分析" 考古学と自然科学. 第33号. 57-66 (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 網干 守・二宮 修治: "微量成分元素存在量-クラスター分析による陶磁器片の生産地推定" 日本文化財科学会 第13回大会 研究発表要旨集. 48-49 (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 肥塚隆保・二宮修治・網干守・山崎一雄: "ベトナム産古陶磁器の自然科学的研究" Journal of East-West Maritime Relations 4. (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 山崎一雄・肥塚隆保・二宮修治・網干守: "北部および中部ベトナムの遺跡ならびに窯址で出土した陶磁器片の自然科学的研究" 文化財保存修復学会 第14回大会 講演要旨集. 92-93 (1997)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 二神葉子・青柳洋治: "ベトナム窯址出土陶磁器の特徴に関する考察-清花を中心に-" 日本文化財科学会 第14大会 研究発表要旨集. 90-91 (1997)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 降幡順子・沢田正昭: "窯址出土陶磁器片の釉薬の分析" 文化財保存修復学会 第20回大会 講演要旨集. 122-123 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 肥塚隆保・岸良鉄英・山崎一雄: "カボジア国シェムリアップ地域のターニー古窯址採集の陶片の化学分析" 日本文化財科学会 第15回大会 研究発表要旨集. 124-125 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 西村 康・杉山 洋・Dean Goodman.・前畑幸雄: "カンボジア王国所在クメール土器窯跡の物理探査" 日本文化財科学会 第15回大会 研究発表要旨集. 208-209 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] FUTAGAMI Yoko, AOYAGI YOji, SUGISHITA Ryuichiro: "Analysisi of chemical composion of celadon excavated in the northern and the central parts of Vietnamese" Archaeology and Natural Science. vol.33. 57-66 (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] ABOSHI Mamoru, NINOMIYA Syuji: "Presumeing of production of ceramics by chrysler analysis of quantity elements" Japanese Society for Scientific Studies on Cultural Property, Summary of 13th Symposium. 48-49 (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] KOEZUKA Takayasu, NINOMIYA Syuji, ABOSHI Mamoru, YAMAZAKI Kazuo: "Scientific studies of Vietnamese old ceramics" Journal of East-west Maritime Relations. 4. (1996)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] YAMAZAKI Kazuo, KOEZUKA Takayasu, NINOMIYA Syuji, ABOSHI Mamoru: "Scientific studies of ceramic sherds excavated from remains and kiln sites ofnorthen part and central Vietname" Summary of 14th Symposium, The Japan Society for the Conservation of Cultural Potery. 92-93 (1997)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] FUTAGAMI Yoko, AOYAGI YOji: "Deliberation about the distinction of ceramics excavaed kiln sites of vietname" Summary of 14th Symposium, Japanese Society for Scientific Studies on Cultural Property. 90-91 (1997)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] FURIHATA Junko, SAWADA Masaaki: "Analysis on the glaze of ceramic sherds excavated from kilns" Summary of 20th Symposium, The Japan Society for the Conservsion of Cultural Property. 122-123 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] KOEZUKA Takayasu, KISHIRA Tetsuhide, YAMASAKI Kazuo: "Chemical analysis on the ceramic sherds from Tani kiln site, Cambodia." Summary of 15th Symposium, Japanese Society for Scientific Studies Cultural property. 124-125 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] NISHIMURA Yasushi, SUGIYAMA Hiroshi, Dean Goodman, MAEHATA Yukio: "Physical prospecting of kiln site of Khumer Ceramics in Cambodia." Summary of 15th Symposium, Japanese Society for Scientific Studies on Cultural property. 208-209 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] 肥塚隆保・二宮修治・網干守・山崎一雄: "ベトナム産古陶磁器の自然科学的研究" Journal of East-West Maritime Relations 4. (1996)
• [文献書誌] 山崎一雄・肥塚隆保・二宮修治・網干守: "北部および中部ベトナムの遺跡ならびに窯址で出土した陶磁器片の自然科学的研究" 文化財保存修復学会 第19大会 講演要旨集. 92-93 (1997)
• [文献書誌] 二神葉子・青柳洋治: "ベトナム窯址出土陶磁器の特徴に関する考察-清花を中心に-" 日本文化財科学会 第14大会 研究発表要旨集. 90-91 (1997)
• [文献書誌] 降幡純子・沢田正昭: "窯址陶磁器片の釉薬の分析" 文化財保存修復学会 第20大会 講演要旨集. 122-123 (1998)
• [文献書誌] 肥塚隆保・岸良鉄英・山崎一雄: "カボジア国シェムリアップ地域のターニー古窯址採集の陶片の化学分析" 日本文化財科学会 第15大会 研究発表要旨集. 124-125 (1998)
• [文献書誌] 西村 康・杉山 洋・Dean Goodman.・前畑幸雄: "カンボジア王国所在クメール土器窯跡の物理探査" 日本文化財科学会 第15大会 研究発表要旨集. 208-209 (1998)
• [文献書誌] "微量成分元素存在量-クラスター分析による陶磁器片の生産地推定-" 日本文化財科学会研究発表要旨集. 第13回大会. 48-49 (1996)
• [文献書誌] "北部および中部ベトナムの遺跡ならびに窯址で出土した陶磁器片の自然科学的研究" 文化財保存修復学会講演要旨集. 第19回大会. 25 (1997)
• [文献書誌] 二神葉子・青柳洋治・杉下龍一郎: "ベトナム北部および中部から出土した青磁の化学組成の分析" 考古学と自然科学. 第33号. 57-66 (1966)