いじめ/校内暴力に関する国際比較調査

• 研究課題/領域番号: 08044033
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究分野: 社会学(含社会福祉関係)
• 研究機関: 大阪市立大学
• 研究代表者: 森田 洋司 大阪市立大学, 文学部, 教授 (80086181)
• 研究分担者: JUNGER?TAS Josine オランダライデン大学, 法学部, 教授 ; OLWEUS Dan ノルウェーベルゲン大学, 健康増進研究センター, 教授 ; SMITH Peter K 英国ロンドン大学, ゴールドスミス校・心理学部, 教授 ; HAWKINS David 米国ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; CATALANNO Richard 米国ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; HOWKINS Davi 米国 ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; CATALANO Ric 米国 ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; JUNGERTAS Jo オランダ ライデン大学, 法学部, 教授 ; SMITH Peter 英国 ロンドン大学ゴールドスミス校, 心理学部, 教授 ; HAWKINS Davi ワシントン大学, 社会事業学部(アメリカ), 教授 ; JUNGERーTAS J ライデン大学, 法学部(オランダ), 教授 ; 大迫 俊夫 ユネスコ本部, 国際教授局, 専門官 ; HAWKINS Dav 米国ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; CATALALLO R 米国ワシントン大学, 社会事業学部, 教授 ; JUNGERーTAS ヨシン オランダライデン大学, 法学部, 教授 ; 添田 晴雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (30244627) ; 原田 豊 科学警察研究所, 犯罪予防研究室室長
• 研究期間 (年度): 1996 – 1998
• 研究課題ステータス: 完了 (1998年度)
• 配分額: 25,600千円 (直接経費: 25,600千円); 1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円); 1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円); 1996年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
• キーワード: いじめ / 校内暴力 / 国際比較 / 自己申告 / イギリス / ノルウェー / オランダ / アメリカ / 問題行動 / 犯罪・非行 / 質問紙調査

研究概要

いじめ/校内暴力の実態把握のための国際比較を目的とした自己申告標準質問票を開発し、4カ国において小学校5年生から中学校3年生を対象に調査を実施した。
調査研究からは次の知見を得た。いじめ被害経験率では、イギリスが39.4%、オランダ27.0%、ノルウェー20.8%、日本13.9%であり、まず、いじめが日本だけに起こりうるのではないことが確認された。比率から見れば日本の経験率がもっとも小さいが、高頻度長期被害者(週に1回以上といった高頻度でいじめられ、かつ、1学期以上という長期にわたっていじめられた経験をもつ児童生徒)の被害経験者の中に占める割合を国際比較すると、日本が17.8%、ノルウェー17.4%、オランダが11.8%、イギリスが12.5%となる。日本のいじめが深刻なものが多いことをうかがえる。
日本のいじめの特徴は、無視・仲間はずれの手口が相対的に多く(とくに女子)、教室で頻繁に発生し、主に同じクラスの人からいじめられることである。たとえば、オランダでは犯罪型のいじめが多く見られるなど、国によって、いじめの特徴は異なっている。
今日、海外のいじめ防止対策が数多く日本に翻訳・紹介されているが、いじめの性質が違う以上、ある国での成功例を単純には日本に導入できない。国際比較に基づいて文化的背景をも考慮した上で、海外での事例を研究しなければならない。

研究成果

• [文献書誌] Y.Morita, P.K.Smith et al: "The Nature of School Bullying"Routledge, London. 384 (1999)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 森田洋司総監修: "世界のいじめ -各国の現状と取り組み"金子書房. 463 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] P.K.Smith, Y.Morita et.al ed.: "The Nature of School Bullying: A Cross-National Perspect"Riveoutledge, London. 384 (1999)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Y.Morita ed.: "Bullying in the World"Kaneko-Shobo, Tokyo. 463 (1998)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Y.Morita,P.K.Smith et al.: "The Nature of School Bullying" Routledge, London, 384 (1999)
• [文献書誌] 森田洋司総監修: "世界のいじめ-各国の現状と取り組み" 金子書房, 463 (1998)
• [文献書誌] 森田洋司: "いじめは海外でも共通の課題" 中等教育資料、文部省中学校課高等学校課. 677. 30-31 (1996)
• [文献書誌] 森田洋司: "「不登校」をいかに理解するか" 高校教育展望. 96-10. 8-12 (1996)
• [文献書誌] 森田洋司: "いじめ-社会の深層からの視点を" 石附実編着『比較・国際教育学』東信堂. 242-259 (1996)
• [文献書誌] 添田晴雄: "いじめ日本独特論再考" 大阪市立大学文学部紀要 人文研究 教育学. 48-9. 135-147 (1996)
• [文献書誌] Yohji Morita 他: "The Nature of School Bullying A Cross-Natinal Pewpective" Routlealge (London), (1997)