研究課題/領域番号 |
08044067
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (50159068)
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研究分担者 |
FABRICE Vall エコール, ポリテクニク・量子光学研究室, 講師
CHRISTOS Fly エコール, ポリテクニク・量子光学研究室, 教授
市田 正夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (30260590)
VALLEE Fabri エコール, ポリテクニク・量子光学研究室, 講師
FLYTZANIS Ch エコール, ポリテクニク・量子光学研究室, 教授
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 金属ナノ結晶 / ガラス複合材料 / 半導体ナノ結晶 / 半磁性半導体 / レーザーアブレーション / ポンプ・プローブ分光 / 非線形光学応答 / ホットエレクトロン / レーザーアプレーション / 銀ナノ結晶 / 半磁性半導体超微粒子 / 非線形光学 |
研究概要 |
本研究は、理論予測を取り入れた物質・材料設計と作製を行い、ナノ構造の物質に特有の非線形光学現象を引き出すことを目的として行われた。エコール・ポリテクニクヘの研究代表者と協力者の派遣および研究分担者の招へいによる相互交流によって、銀ナノ結晶複合材料のフェムト秒ポンプ・プローブ分光の実験・討論と半磁性半導体の試料作製を進めてきた。1)銀ナノ結晶複合材料の研究では、非線形応答の励起条件をエコール・ポリテクニクと名古屋大学とで分担した。表面プラズモン共鳴条件、バンド間励起(名古屋大学)とバンド内励起条件(エコール・ポリテクニク)の結果から、銀ナノ結晶複合材料の非線形光学応答はホットエレクトロン効果によること、非線形屈折率は負でありその応答時間は2ピコ秒であることが明らかになった。さらに、エコール・ポリテクニク側の銀ナノ結晶に関する結果としては、100fs以下の時間領域では、電子系は準熱平衡にならずフェルミ分布を示さないことがスペクトル形状からわかった。また、コヒーレントな音響フォノンの生成に伴った非線形信号の振動構造が観測され、ナノ結晶に特有のフォノン伝搬現象を見いだした。2)半磁性半導体ナノ結晶の研究では、エコール・ポリテクニクで作製したCdMnTe結晶をターゲットに用いて、レーザーアブレーション法により半磁性半導体超微粒子を作製し、直径約12nmの超微粒子を成長させることに成功した。3)半導体ナノ結晶のコヒーレント過渡現象の研究では、CuClナノ結晶の閉じ込め励起子と励起子分子との量子干渉によるビ-ト現象と励起子遷移と光学フォノンを伴った遷移との間の量子ビ-ト現象を観測した。さらに、音響型フォノンが閉じ込められることによって励起子の位相緩和の熱浴の自由度が減少するために、熱浴の記憶効果である非マルコフ的緩和が起こることを閉じ込め励起子系で初めて明らかにした。4)ハロゲン化銅ナノ結晶の光学非線形性の起源は、閉じ込め励起子の巨大振動子強度であること、サイズが大きくなると2励起子状態の寄与が重要となるが、その寄与は価電子帯構造に依存することを明らかにした。これらの研究によりナノ構造の非線形光学材料の設計指針が得られた。
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