研究課題/領域番号 |
08044070
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水崎 隆雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025448)
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研究分担者 |
VASILYEV S.A Kurchatov研究所, 超伝導固体物理研部門, 上級研究員
LUKASHEVICH アイ.アイ Kurchatov研究所, 超伝導固体物理研部門, 教授
佐々木 豊 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (60205870)
大見 哲巨 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70025435)
LUKASHEVICH アイアイ Kurchatov研究所, 超伝導固体物理研部門, 教授
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 偏極原子状水素 / 量子気体 / ボ-ス凝縮 / ボ-ス・アインシュタイン凝縮 / Kosteritz-Thouless転移 / 2次元超流動 / ミリ波ESR / 磁気圧縮 / Kosteritz-Thouless / 転移 |
研究概要 |
量子効果の極めて大きい偏極原子状水素(H)は絶対零度まで気体であり、充分低温まで冷却出来ればボ-ス凝縮を起こすことが期待されるなど、この新しい量子系の基礎物性は低温物理の最も重要な問題の一つである。 京都大学では、液体H面上に吸着された2次元Hの性質を調べ、2次元巨視的凝縮相(Kosteritz-Thouless転移)の達成の可能性を検討し、2次元視的凝縮相出現に今一歩の所にある。一方、Kurchatov研究所のLukashevichのグループは早くからHの研究に着手に、mm-ESRを研究手段として研究成果をあげてきた。ここ数年間はKurchatov研究所とフィンランドのTurku大学との共同研究による局所的磁場を用いた2次元Hの研究が続けられており、既に2次元巨視的凝縮相が実現している可能性を指摘している。 京大とKurchatov研究所の研究は相補的であり、2次元HのシグナルをESRで直接観測することにより今まで間接的な測定から類推されてきた2次元Hの研究を飛躍的に進歩させることが本協同研究の目的である。 (1)京大側が2次元偏極原子状水素の基礎物性の研究を行ない、K-T転移の最適化条件を調べた。特に、2次元Hは液体^4Hの表面励起と強く結合して吸着されているが、表面励起とバルクのヘリウムの励起との結合が弱く、それが2次元Hの冷却の限界を決めていることが判明した。(2)Kurchatov側では120〜140GHzのESR装置を用意した。特に、2次元H観測に適したファブリベロ-型キャビティーを開発し、低温でのテストを近く行なう予定である。(3)各グループが各段階での研究に相互に参加し、装置の設計や議論を集中的に行なった。平成9年2月〜3月にかけてKurchatov側の研究者が2人来日して、京大の超低温装置にESR装置を設置し、127GHzでHのシグナルを観測することに成功した。ESRによる2次元Hの直接観測の共同研究をH9年度も継続して、K-T転移の探索を行う。
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