研究課題/領域番号 |
08044071
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
広田 襄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90093301)
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研究分担者 |
中川 公一 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00244393)
寺嶋 正秀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00188674)
WILLIGEN Hans Van マサチュウセッツ大学, ボストン校・化学科, 教授
小原 敬士 愛媛大学, 理学部, 助手 (10284390)
WILLIGEN Han マサチューセッツ大学, 化学科(ボストン校), 教授
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 時間分解ESR / CIDEP / Xanthone / 光反応初期過程 / フェノチアジン / FT-EPR |
研究概要 |
1996年8月にノボシビルスクにおいて開催された、スピンおよび磁場効果に関する国際シンポジウムにおいて、広田、van Willigenおよび小原はその後の共同研究の計画に関して詳細な打ち合わせを行った。その結果、これまでのCW-ESRの研究において、未解決の問題の多いXanthoneの光反応の初期過程を、FT-ESRを用いて研究することに決め、まず小原がボストンで実験を行い、以下の成果を得た。 1)Xanthone/2-propanol系でEの分極の生成は水素引き抜き反応の速度により決まり、主な分極の機構はラジカル対機構(RPM)である。 2)Xanthone/2-propanol+H_2O+HC1で観測される吸収(A)の分極の立ち上がは非常に速く、装置の分解能により決まっており、三重項機構(TM)によると考えられるが、分極の強度は弱い。 さらに、11月に広田がボストンにおいて共同でFT-ESRの実験を行い、上記2)の系についてHC1の濃度を変化させて詳しい研究を行った。その結果HC1の低濃度ですでに2-propanol由来のラジカルに関しては、EからAへの分極の反転が起こることが明らかになり、さらにXanthoneラジカルにおいても、AからEへの分極の反転が起こるなど新しい現象が見出された。 これらの新しく得られた結果を含めて、Xanthoneの反応初期過程を明らかにするには、過渡吸収による補足的な実験の必要性が痛感され、1月にvan Willigen教授来日の際、京都で過渡吸収の実験を試みたが、装置上の問題で満足な結果が得られず、その後京都において実験を完成した。これらの結果をまとめて論文を作成してJ.Phys.Chem.誌に投稿した。 以上の研究に加えて、中川は以前より共同研究を行っているphenothiazine(PTH)とアルキル直鎖を持つPTHの誘導体のSDSミセル溶液中の光イオン化で生じる水和電子の研究を行った。その結果、レーザー励起後50ns以内での水和電子のシグナルの位相の詳細、水和電子の消失速度とPTHのミセル内の位置との関係、水和電子のクエンチの動力学などについて知見を得た。
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