研究分担者 |
BOWMAN D. ロスアラモス国立研究所, 中間子施設, 主任研究員
舟橋 春彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00283581)
延与 秀人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30213606)
PENTTILA S. ロスアラモス国立研究所, 研究員
ROBERSON R. デューク大学, 教授
PENTTILA S ロスアラモス国立研究所, 研究員
ROBERSON R デューク大学, 教授
BOWMAN D ロスアラモス国立研究所, 中間子施設, 主任研究員
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研究概要 |
偏極低速中性子がLa,Cd,Brなどの核のp波共鳴で吸収されるときそのヘリシティ非対称の増幅は最大100万倍になることが高エネルギー研やドブナなどで見出され、その起源を調べるための系統的研究が強く望まれていた。そこで本研究は京大、KEK及び米国ロスアラモス国立研究所において日米共同で偏極した低速中性子ビームを中重核及び重い核にあてたときの増幅効果を徹底的に調べるとともに将来の時間反転の破れの探索のための中性子ビーム偏極、La核偏極などの試みを行った。 まず、進行方向に偏極した低速中性子をIn,Ag,Th,U,Pd,Sb,I,Cs,Xeなどの原子核にあて、そのp波共鳴における中性子ヘリシティ非対称性を調べた。その結果、1eV〜300eVのエネルギー領域で3σ以上のヘリシティ非対称度をもつp波共鳴を47ケ発見した。これをp波とs波の干渉によってヘリシティ非対称効果が増幅されるためと考え、その非対称を統計的に処理した結果、weak spreading widthΓ_wがこれらの核でいずれも10^<-7>eVのオーダーであることが明らかになった。 一方ペンタセンをドープしたナフタリン及びp-ターフェニールにレーザービームを照射してペンタセンを三重状態に励起させてマイクロ波で動的に陽子を偏極させる方法を開発した。更にこの方法によって偏極した陽子フィルターに中性子を透過させて中性子を偏極することに成功した。 また、LaAlO_3単結晶中のLa核を低温で動的偏極法を用いて50%以上偏極することに成功した。これらの結果は時間反転の破れを測定するための重要なステップになると確信している。
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