研究分担者 |
KALVIUS Geor ミュンヘン工科大学, 物理学科, 教授
REGNAULT Lou グルノーブル原子力研究所, 主任研究員
門脇 広明 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70194876)
梅尾 和則 広島大学, 理学部, 助手 (10223596)
伊賀 文俊 広島大学, 理学部, 助教授 (60192473)
REGNAULT Louis-Pierre CEA,DRF,Grenobole, Group leader
KALVIUS Georg Michael Phys.Dep.T.U.Munchen, Prof.
植村 泰朋 コロンビア大学, 物理学科, 教授
カルビウス ゲオルクミハ ミュンヘン工科大学, 物理学科, 教授
レニュー ルイーピエール グルノーブル原子力研究所, 主任研究員
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
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研究概要 |
近藤半導体のギャップ形成機構を解明する為に、CeNiSn,Ce_7Ni_3,YbB_<12>の単結晶試料を広島大学で育成し、中性子散乱実験をラウエ・ランジュバン研究所(仏)で、ミュオンスピン緩和の実験をラザフォード研究所(英)で、極低温での比熱と帯磁率測定をカ-ルスルーエ大学とバルターマイスナー研究所(独)で行なった。新しく得られた知見を列挙する。 1.中性子非弾性散乱 (1)CeNiSnのa軸方向に12テスラの強磁場を印加すると、波数(0 0.5 1)の4meVの励起ピークは巾が広がり低エネルギーのスピンギャップを埋めるだけでなく、波数空間でも広がる。この結果は4meVの擬1次元的スピン相関とギャップ形成との強い関連を意味する。 (2)Ce_7Ni_3に圧力を印加すると0.4GPaで反強磁性が潰れる。臨界圧力付近での磁気励起スペクトルは(E/T)でスケールすると温度によらない一つの関数で表される。 (3)YbB_<12>の14meVのスピン励起は立方晶の<111>方向に強い異方性を持つ。 2.ミュオンスピン緩和 (1)CeNi_1-xCuxSnではx=0.05と0.08の間で非磁性からスピングラス的状態へと転移する。 (2)Ce_7Ni_3の1.8Kでの磁気転移はスピン密度波転移である。これは1次の相転移であるが、0.7Kの磁気転移は2次である。Ceの磁気モーメントはc軸方向から傾いている。 3.極低温物性測定 (1)CeNi_1-xCuxSnの臨界組成であるx=0.05の帯磁率と比熱は0.025Kまで上昇し続ける。 (2)Ce_7Ni_3の臨界圧力(0.4GPa)下で当初観測された比熱の非フェルミ液体的挙動は、0.3K以下では通常のフェルミ液体的挙動へと移行する。
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