研究課題/領域番号 |
08044092
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鷲見 義雄 広島大学, 理学部, 教授 (20029490)
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研究分担者 |
HANS Boggild コペンハーゲン大学, ニールス・ボーア研究所, 教授
FABJAN Chris ヨーロッパ合同原子核研究所, 主任研究員
阪口 篤志 大阪大学大学院理学研究科, 助教授 (70205730)
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (80144806)
宮村 修 広島大学, 理学部, 教授 (80029511)
BOGGILD Hans NBI Copenhagen Univ.Professor
BOGGILD Hans コペンハーゲン大学, ニールス・ボーア研究所, 教授
永宮 正治 コロンビア大学, ネヴィス研究所, 教授
BOGGILD H. コペンハーゲン大学, ニールス・ボーア研究所, 教授
FABJAN Ch.W. ヨーロッパ合同原子核研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1997年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 高エネルギー重イオン衝突 / HBT効果 / 粒子多重発生 / クォークグル-オンプラズマ / CERN-NA44実験 / CERN-SPS / 高エネルギーハドロン物質 / クォークグルオンプラズマ |
研究概要 |
本年度においては、核子あたり158GeVの鉛・鉛衝突のデータ解析を主な作業とし、これに加えて核子あたり200GeVの硫黄・核衝突の最終結果の導出を行った。これらから得られた研究成果の概要はつぎのようにまとめることができる。 (1)1粒子分布について (イ)ハドロンの横運動量(m_T)分布を衝突系およびハドロン種別に明らかにした。いずれのおよびハドロンに対してもデータは指数関数で再現でき、その逆スロープ・パラメタは衝突系が大きくなるほど大きくなり、またハドロンの質量の一次式で近似できる。これは、ハドロン生成源の横向き膨張によるものと考えられ、これにより、フリーズアウト時の温度と、横向き膨張速度を決定することができた。 (ロ)中心ラピディティ領域でのK中間子、陽子、重陽子(およびそれらの反陽子)の生成率を、鉛・鉛衝突の場合にも明らかにした。生成比と化学平衡の関係から、ストレンジ・クォークおよびノン・ストレンジ・クォークの化学ポテンシャルおよび化学平衡温度を決定した。 (2)2粒子相関について (イ)HBT効果によるハドロン生成源のサイズ・パラメタについて、まずm_T依存性を明らかにした。パイオン、K中間子いずれについてもサイズ・パラメタはm_Tの平方根の逆数に比例し、これは熱的膨張模型の予言を裏書きしている。 (ロ)サイズ・パラメタについては、粒子多重度に対する依存性も明らかにすることができた。これにより、ハドロンのフリーズ・アウトが起こるのは、ハドロン生成源が膨張しそのエネルギー密度がある一定の値(〜近似的に通常の核のエネルギー密度)にまで下ったときであると結論できる。 なお、以上の結果は、研究分担者の一人、阪口により第13回クォークマタ-国際会議の全体講演として発表された。
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