研究概要 |
本研究では高圧気体雰囲気下における金属-ガス共晶反応を利用したポア(孔)の形態を制御したポーラス金属を創製し、高強度ポーラス金属合金の物性とその応用を目指すことを主な目的とした。平成9年度にはウクライナ治金アカデミーとの国際共同研究によって(1)ポーラス金属作製装置を完成させ,(2)ポーラス銅の作製に成功し,本研究の所期の目的を完結することができた。 1 ポーラス金属作製装置 本装置は,20気圧の耐圧を有する高圧容器であり,水素,アルゴン,酸素などの高圧ガスを導入でき,アルミナやグラファイトるつぼを用いた高周波溶解部,溶融金属を一方向凝固させる冷却部,その他,温度,圧力計測部より構成されている。本装置は2000℃,20気圧までの高温,高圧溶解が可能である。本装置について,発明特許として出願を計画している。 2 ポーラス銅の作製 本装置を用いて,アルミニウム,マグネシウム,銅,鉄の溶解を行ない,ポーラス金属の作製を試みた。いずれの金属においてもポーラス化できることを確認した。そのうち,特に,銅について,ポアサイズと水素あるいは水素・アルゴン混合ガスの圧力依存性,一方向に制御したポアの長さと冷却速度の関係について豊富なデータを取得することができた。本製法に関して特許を出願の予定である。
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