研究課題/領域番号 |
08044171
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
堀尾 喜彦 東京電機大学, 工学部, 助教授 (60199544)
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研究分担者 |
SUYAMA Ken コロンビア大学, 電気工学科, 助教授
合原 一幸 東京大学, 工学部, 助教授 (40167218)
KEN Suyama コロンビア大学, 電気工学科, 助教授
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カオス / ニューラルネットワーク / 複雑系 / アナログVLSI / 非線形システム / 力学系 |
研究概要 |
本研究では、生物のニューロンの重要な特性である相対不応性とアナログ性を考慮したカオスニューロンモデルをスイッチト・キャパシタ回路技術を用いて集積回路化した。このカオスニューロン回路は多数の入力の加算を容易に行うため電流入力とした。そのため、入力部に特別に設計した電流電圧変換回路を取り付けた。 さらに、多数のカオスニューロンを結合して大規模なカオスニューラルネットワークを構築するために、シナプス回路を集積回路化した。ここで各シナプスでアナログ値の結合重みを記憶しておくために、カレントコピヤ-をサイクリックに使用して各重みを定期的にリフレッシュする電流モードシナプス回路を開発した。 上記のカオスニューロンチップとシナプスチップを組み合わせ、小規模ではあるが必要な機能を全て持ったカオスニューラルネットワークを構築し、このネットワークにより以下の3つの基本的な問題について実験を行った。 1)動的連想記憶:実験により、生物が行うようなダイナミックな記憶空間のカオス的検索が確認された。 2)最適化問題の解法:例として巡回セールスマン問題を解いた。結果として、従来の方法よりきわめて優れた解法能力を確認できた。 3)カオスの同期:ネットワーク中のカオスを協調させ同期的に動作させることができた。 このシステムの挙動は実時間で観測可能なので、これを更に大規模に拡張してその振る舞いを解析することによりカオス結合系としてのネットワークが行う情報処理過程を力学的または情報科学的に解析することができる。このようなネットワークのさらなる大規模化と多次元同時並列観測システムの構築が今後の課題である。
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