研究課題/領域番号 |
08044221
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
|
研究分担者 |
桜井 敬之 東海大学, 医学部, 奨励研究員
HWANG S.Y. The Jackson Laboratory, Research A
OH Bermseok The Jackson Laboratory, Research A
KNOWLES B.B. The Jackson Laboratory, Professor
SOLTER Davor MaxーPlanckーInstitut fur Immunobiologie, Direktor
HWANG Sue Yun THE JACKSON LABORATORY,RESEARCH ASSOCIATE
HWANG S.Y The Jackson Laboratory, Postdoctor
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | マスウ / 初期胚 / 遺伝子発現 / cDNA / polyA / SSEC-D / polyA付加 / 母性RNA / マウス初期胚 / tsec / MOD2 / 一過性伸長 / 発現制御 / マウス / cDNAライブラリー / 翻訳制御 |
研究概要 |
二年間にわたる本国際共同研究は非常に有意義なものであった。本研究の目的は、はじめて卵子と精子由来の核が融合して新しい世代の生命活動が始まる初期胚における遺伝子発現について総合的理解を深めようとするものであった。まだ哺乳類では材料の制約から解析がほとんど手つかずの状態であった。 したがって、まずは共同研究者らと初期胚各時期のcDNAライブラリーの作成およびその解析法の開発が一つのテーマであった。微量の材料から最新の遺伝子工学を用いてcDNAライブラリーを作成し、低温下(-80℃)に維持することによって恒久的で均質のライブラリーを供給することが可能となった。また、解析も、初期胚に対するWhole mount in situハイブリダイゼーションの系を確立し、新規の幾つかのcDNAについては公表することもできた。 一方、最大の収穫としては、中心材料として用いていたSSEC-D遺伝子のマウス発生初期におけるRNAの興味深い動態、つまり受精後20時間までの時期に母性RNAが段階的に伸長し、その後短縮、分解する一過性のRNAサイズ変化が認められたことである。伸長は、3'末端における300〜400個のAヌクレオチドの付加によるものと思われ、この変化は新規のRNA合成、DNA複製、あるいは受精の刺激を必要とせず卵母細胞中の一定のプログラムによって進行しているものと思われる。このような変化を示す遺伝子は共同研究者によっても複数種検出されており、マウスにおける初めての報告として現在論文をまとめつつある。今後は生物学的意義を明らかにする予定である。 予定の変更も多かったが、この二年間にヨーロッパおよび米国のマウスの研究のメッカとも言うべき二カ所の優秀な研究者と極めて有効な交流、共同研究が実施できたのはこの研究費の交付によるものである。
|