研究課題/領域番号 |
08044225
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
林 秀則 愛媛大学, 理学部, 教授 (60124682)
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研究分担者 |
OSMOND Berry オーストラリア国立大学, 総合科学研究所, 教授
FARDEN Kevin オタゴ大学, 生化学部, 準教授
EATONーRYE Ju オタゴ大学, 生化学部, 助教授
渡部 正勝 (渡辺 正勝) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40124226)
森田 勇人 愛媛大学, 理学部, 助手 (50274303)
EATON-RYE Julian J. Otago University, Associate Professor
FARGEN Kevin J.L Otago University, Associate Professor
GREER Dennis The Horticulture and Food Research Insti, 研究員
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | タンパク質リン酸化 / D1タンパク質 / 光合成 / 部位特異的変異 / 光化学系II / ラン澡 / 遺伝子組換え / ラン藻 |
研究概要 |
光合成は植物における最も重要な生理活性であり、変動する環境の下でその活性を最適に保つことは植物の存続に必要不可欠である。光合成は多くのタンパク質が集合した超分子において進行し、この複雑な分子集合体には環境に応答する様々な機構が仕組まれていると考えられる。光化学系II複合体の重要な構成成分であるD1タンパク質は、環境の変動に伴ってリン酸化される。また多くのタンパク質は環境ストレスの検知やその情報伝達の過程でリン酸化され、環境ストレス応答におけるシグナル伝達に対して重要な役割を果たしていると考えられている。これらのタンパク質のリン酸化の生物学的役割を明らかにするため、D1タンパク質のリン酸化部位であるThr2を除いた、あるいはAlaに変換したラン藻の突然変異株、およびシグナル伝達に関与すると考えられるヒスチヂンカイネースの破壊株を作製し、光合成活性、ストレス耐性などの解析することを目的として研究を遂行した。ニュージーランド側の研究者は主にラン藻の光化学系II複合体、特にCP47への部位特異的変異の導入システムを構築し、日本側研究者は主に形質転換体の環境応答特性の評価システムを構築した。D1タンパク質をコードする3種類(psbA1、psbA2、psbA3)の遺伝子それぞれについてThr2のコドンをAlaのコドンに改変した変異株を作製し、各種生育条件下で光合成活性を測定した。CP47タンパク質や表在性タンパク質の変異は光化学活性や環境応答能に多大の影響を及ぼしたにもかかわらず、D1タンパク質のリン酸化部位を改変した変異株は野生株と比べて表現型に大きな違いは検出できず、D1タンパク質のリン酸化よりも光化学系II複合体の分子集合体構築様式の方が、光合成の環境応答において重要な役割を果たしていると推定された。
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