研究分担者 |
ナギー アンドラス サミュエル, ルーネンフェルト研究所, 主任研究員
ファルス アンドラス ゼンメルワイス医科大学, 教授
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
大津 浩 東北大学, 医学部, 助手 (60250742)
NAGY Andras Samuel-Lunenfeld Research Institute ; Biology ; Senior Staff Scientist
ANDRAS Nagy サミュエルルーネンフェルト研究所, 主任研究員
ANDRAS Falus ゼンメルワイス医科大学, 教授
NAGY Andras サミュエルルーネンフェルト研究所, 主任研究員
FALUS Andras ゼンメルワイス医科大学, 教授
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研究概要 |
ヒスタミン合成酵素遺伝子(ヒスチジン脱炭酸酵素,HDC)は,血球系においては肥満細胞と好塩基球に特異的に発現している.この細胞特異性は,HDC遺伝子のプロモーター領域のCpG配列の脱メチル化によることを明らかにした.更に脱メチル化剤としてアザシチジンをマウス肥満細胞系培養細胞P815に作用させるとHDCの発現が誘導され,機能的にも遺伝子上流のメチル化が大切である事が実証された.このように,HDC遺伝子の発現にはプロモーター領域のメチル化,脱メチル化が機能的に重要であることがわかったものの,メチル化を細胞特異的にコントロールするシス配列は現在までのところ遺伝子近傍には明らかになっていない.現在,さらにHDC遺伝子の上流や下流をクローン化し,まずDNaseI高感受性領域を遺伝子の外側に見つけるべく実験系を組み上げている.蛋白レベルの解析ではmRNAから細胞質中で翻訳された74kDaの蛋白はERにおいてカルボキシル基側がプロセッシングをうけて外れ,53kDaの蛋白となることを証明した.一方,ヒスタミン分解酵素であるヒスタミンN-メチル基転移酵素(HMT)の遺伝子クローン化までは完了している.さらに現在HMTのトランスジェニックマウスを作るべく,ベクターを構築中である.ヒスタミンを欠如させるためHDC遺伝子のノックアウト(KO)マウスを作成した.マウスは正常に分娩し,発育し,外観上も野生型と差を認めない.ヘテロマウス同志の交配ではその子マウスは,ワイルド,ヘテロ,ノックアウトが1:2:1の割合で生まれ,胎児死は無いものと考えられた.また,脳,胃のHDC活性はおよびヒスタミン含量はほとんど0であり,ヒスタミン欠如マウスとして今後,アレルギー,行動実験など表現系を解析予定である.
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