研究課題/領域番号 |
08044233
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 貞嘉 東北大学, 医学部, 教授 (40271613)
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研究分担者 |
REN Yilin ヘンリーフォード病院, 高血圧血管部門, 助手
CARRETERO Os ヘンリーフォード病院, 高血圧血管部門, 教授
REN YiLin ヘンリーフォード病院, 高血圧血管部門, 助手
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マクラデンサ / アンジオテンシンII / アデノシン / 輸入細動脈 / 尿細管糸球体フィードバック / 食塩摂取 / 糸球体濾過 / 体液の恒常性 / 輸出細動脈 |
研究概要 |
腎臓の遠位尿細管にあるマクラデンサは、全身の体液量を感知して輸入細動脈の血管抵抗を調節しており、尿細管糸球体フィードバック(TGF)と呼ばれている。代表研究者及び米国ヘンリーフォード病院高血圧研究部門では共に輸入細動脈とマクラデンサを単離して、両者を同時に灌流する標本を用いてTGFを研究した。 TGFにおけるアンジオテンシンII(AngII)の役割 TGF機序ではマクラデンサ部位の尿細管液のNacl濃度が上昇すると輸入細動脈が収縮することが我々の成績で示されている。従って、食塩摂取が増大してマクラデンサ部位でのNacl濃度が上昇すると糸球体濾過(GFR)が低下することが予想されている。しかし、生体において、高食塩食ではGFRはむしろ増加することが知られている。この一見矛盾した所見は体液量によってTGFの感受性が変化することにより説明でき、それにはAngIIが重要であると考えられている。実際我々はAngIIが減少するとTGFが減弱するため、マクラデンサに高濃度のNaclが到達しても輸入細動脈はあまり収縮しないことを実証した。 TGFにおけるアデノシンの役割 TGF機序の詳細に関しては不明であるが、近年、TGFにアデノシンが関与していると示唆されている。我々は、アデノシンA_1受容体拮抗薬がTGFによる収縮反応を減弱させることを観察した。また、それ自体血管収縮反応を起こさない濃度のアデノシン10^<-8>Mを輸入細動脈内に投与するとTGF反応の増強が見られた。一方、アデノシンを10^<-8>〜10^<-6>Mまでマクラデンサ灌流液に投与しても効果はなかった。以上より、TGFにアデノシンのA_1受容体を介する機序が関与しているが、その作用の場は傍糸球体間質であると考えられる。
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