研究課題/領域番号 |
08044273
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠山 重威 京都大学, 医学研究科, 教授 (70109007)
|
研究分担者 |
ゴールドシュタイン ジョ テキサス大学, 医学部, 教授
ジェラルド ロバート カソリード大学, 遺伝子導入治療センター, 教授
長谷川 浩二 京都大学, 医学研究科, 助手 (50283594)
松森 昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (70135573)
GOLDSTEIN Joseph L. Univ.of Texas, Southwestern Medical Center at Dallas Professor
GERARD Robert D. Catholide Univ., Gene Transfer and Gene Therapy Center Professor
GERARD Rober テキサス大学, 医学部, 教授
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1996年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
キーワード | アデノウイルス / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / ポリリジン修飾アデノウイルス / 心血管系 / サイトカイン / 増殖因子 / イオンチャネル / 循環器 / 心筋炎 / 心筋症 |
研究概要 |
アデノウイルスによる心血管系における遺伝子導入および遺伝子治療の技術確立のために共同研究が行われた。研究代表者のグループでは、in vivo,in vitroモデルの確立と循環器疾患に関与する重要な遺伝子の構造、機能、発現制御の検討が行われた。ラットなどの心筋細胞、ヒト由来を含む内皮細胞、平滑筋細胞の初代培養系が遺伝子導入のターゲット細胞として確立された。in vivoモデルとしては、冠動脈結紮による心筋虚血、心筋梗塞モデル、マウス心移植モデル、ウイルス性心筋炎モデル、心筋症モデル、心不全モデルが確立された。そしてこれらの病態モデルがヒト疾患モデルとして十分有用であることが証明された。重要な遺伝子としてサイトカイン、増殖因子、イオンチャネル、転写調節因子の種々の病態における発現調節、機能解析がおこなわれた。これには、サイトカインの各種心疾患での発現調節とそのmodulationによる病態に対する影響の証明、種々の増殖因子による血管新生に対する影響、イオンチャネル異常による不整脈発症機序の解明、転写調節因子と心肥大の関係などが明らかにされた。海外の研究協力者により平行してアデノウイルスの作成、培養系、モデル動物系においての遺伝子導入についての検討が行われた。これには、プラスミノーゲンアクティベータ-遺伝子の導入による凝固系の調節、エンドセリン前駆体導入による高血圧症の発症、NO合成酵素の導入による肺血管収縮の影響などが検討された。また、ポリリジン修飾ウイルスによる各種心血管系培養細胞への遺伝子導入が検討されレポーター遺伝子が良好に導入されることが確認された。このベクターは、ウイルスが不活化されているためbiohazardとしての安全性が高いと予想されること、導入遺伝子のサイズの制限を受けないことなどが利点として考えられるため引き続きモデル動物への遺伝子導入とその有用性の検討が行われる予定である。また、研究代表者側で検討された種々の遺伝子およびその突然変異体などのアデノウイルス組み換え体などを共同研究者と作成し、モデル動物へ導入することでその病態生理の解明が進むと考えられる。 今回の共同研究により、心血管系においていかなる遺伝子が重要な役割を果たしているか、そしてアデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入が非常に強力な病態生理解明の糸口となることがすでに種々の系で確認された。また、これらの過程で海外共同研究者との密接な討議、研究成果の交換により、最新の情報を交換でき、また将来の研究発展の基盤となり成果の多い共同研究となった。
|