研究課題/領域番号 |
08044288
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
奥西 秀樹 島根医科大学, 医学部, 教授 (70111888)
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研究分担者 |
沈 嘉 瀋陽薬科大学, 薬学部, 助教授
陳 紀藩 廣州中医薬大学, 中医学部, 学部長
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40162028)
高折 修二 島根医科大学, 医学部, 学長 (10025538)
SHEN Jia Shenyang Pharmaceutical. Univ., Dept.Natr.Med.Chem., Associate Professor
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | リウマチ / コラーゲン誘発慢性関節炎 / T細胞 / B細胞 / X線 / 通痺霊 / ダルシトール / 免疫抑制 |
研究概要 |
高折、小林、奥西が7月に広州中医薬大学および桂林市中医医院を訪れ、高折の講演「漢方製剤の客観的臨床評価法」を中心に、中国側と臨床・基礎研究の両面で漢方薬治療効果の客観的評価法について発表・討論を行い、既に難病への有効性が示唆されてきた漢方新処方「通痺霊」の客観評価を確立するための研究計画、役割分担を決定した。 8月に沈助教授が来日し、3月まで共同研究を行った。その成果を以下に列挙する。1,高速液体クロマトグラフィーにより、通痺霊の薬理活性候補物質としてdulcitolを分離・同定した。2,異種コラーゲン感作により誘発したマウス関節炎モデルに通痺霊の高用量(5.7g/kg/日)または低用量(1.9g/kg/日)を投与し、慢性効果を検討した。関節炎症候、X線写真上の関節変形、血中抗コラーゲン抗体価上昇、脾臓T細胞・B細胞の増加は、いずれも用量に応じて抑制され、通痺霊の免疫調節作用が示唆された。3,コラーゲン関節炎の発症後にdulcitol(0.1g/kg/日)の慢性効果を検討した。投与により関節炎症候・関節変形は抑制されたが、コラーゲン抗体価の抑制効果は有意ではなかった。フローサイトメトリーを用いた脾臓T細胞・B細胞の解析の結果、dulcitolは関節炎に伴う細胞画分の異常を是正した。 臨床研究は上記計画に沿って中国側で実施され、多数の症例を採用して通痺霊の有効性と安全性を客観的に証明することができた。このことが中国政府に高く評価され、国家プロジェクトとして予算を獲得するに至った。3月に陳教授が来日し、「慢性関節リウマチおよび強直性脊椎炎に対する通痺霊の治療効果の評価」講演を中心に討論を行った。国際共同研究者全員が臨床研究および基礎研究の成績を突き合わせた総合討論を行うことにより、今後の検討課題を明確にすることができ、さらなる国際共同研究が必要であるとの認識で一致した。
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