研究課題/領域番号 |
08044294
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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研究分担者 |
DOMINIQUE Sm University Hospital Nijmegen, Human Genet, Associate
CORRY Weemae University Hospital Nijmegen, Pediatrc Im, Associate
田内 広 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70216597)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (90274133)
WEEMAES Corry University Hospital Nijmegen Pediatrc Immunology Associate Professor
SMEETS Dominique University Hospital Nijmegen Human Genetics, Associate Professor
SMEETS Domin University Hospital Nijmegen Human Genet, Associate
WEEMAES Corr University Hospital Nijmegen Pediatrc Im, Associate
遠藤 暁 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (90243609)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ナイミ-ヘン染色体不安定症候群 / 放射線感受性 / ポジショナルクローニング / p53がん制御蛋白 / 染色体微小核移入 / 始祖効果 / ホモ接合体マッピング / YACコンティグ / ヒト染色体微小核移入 / アタキシアテランジェクタシア / NBS / ATバリアント / 放射線高感受性 / 遺伝子マッピング / 8番染色体 / 劣性遺伝病 |
研究概要 |
ナイミ-ヘン染色体不安定症候群(Nijmegen Breakage Syndrome:NBS)は、小頭症、鳥様顔貌、免疫不全および高発癌性を特徴とする染色体不安定症候群である。細胞学的には放射線高感受性と染色体不安定性など毛細血管拡張性運動失調症ATと類似した所見を示す。NBSの原因染色体を同定するため、我々は各種ヒト染色体ならびに放射線照射により断片化した染色体のNBS細胞への微小核移入を試みた。この結果、8q21-24の領域だけがNBS細胞の放射線感受性を回復させることからNBS遺伝子を同領域にマッピングした。続いて、近親婚のオランダ人家系を用いたホモ接合体マッピングでNBS遺伝子を8q21の7cMの領域にさらに限局した。同様に、NBSの3家系と5例の患者でハプロタイプ解析を行った結果、D8S271からD8S270までのlcM以内の領域に1例を除く8例すべての患者で遺伝子型が一致し、NBSの連鎖不平衡が示唆された。このことは、NBSには創始者効果が存在し、NBS原因遺伝子はD8S1811の近傍に位置すると考えられた。現在、この結果を機能的相補性により確認するために、候補領域からスクリーニングされたYACおよびBAC DNAの移入によるNBS細胞の放射線感受性回復試験を行っている。またNBS遺伝子のクローニングを目的として、D8Sl811マーカーを中心とした約500kbの領域の遺伝子地図の作製を進めており、いくつかの既知および未知のcDNAクローンを単離している。 一方、ATMおよびNBS遺伝子機能の1つとしてDNA損傷によるp53を介した細胞内シグナル伝達経路が示唆されている。放射線照射後の細胞内p53およびp21をウェスタンブロットで測定した結果、NBSとAT細胞のp53ならびにp21発現が正常細胞に比較して低下していることが明らかとなった。しかし、NBS細胞ではAT細胞にみられるp53発現時期の遅れはなく、発現低下量もAT細胞と異なっていた。このことはNBS原因遺伝子とATMとの厳密な機能の違いを示唆された。
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