研究課題/領域番号 |
08044317
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
井村 伸正 北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)
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研究分担者 |
LAZO John S. ピッツバーグ大学, 医学部, 教授
近藤 幸尋 日本医科大学, 医学部, 講師 (80215467)
永沼 章 (永沼 彰) 東北大学, 薬学部, 教授 (80155952)
姫野 誠一郎 北里大学, 薬学部, 助教授 (20181117)
LAZO John S ピッツバーグ大学, 医学部, 教授
JOHN S. Laz ピッツバーグ大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | メタロチオネイン / ノックアウトマウス / 発癌 / 重金属 / 制癌剤 / アポトーシス |
研究概要 |
1.米国側においてMTKOマウスの胎仔由来初代培養細胞にSV40を感染させることにより不死化した細胞株を得た。日本側でこの細胞の諸特性について明らかにした。SV40で不死化したMT欠損細胞株はMT遺伝子を含有する細胞に比べてシスプラチンによるアポトーシスが起こりやすくなっていた。初代培養細胞の場合とは異なり、この差をp53レベルでは説明できなかったが、c-myc遺伝子の関与を示唆するデータを得ることができた。このMT欠損不死化細胞からさらにシスプラチンおよび、Cd耐性細胞を確立した。シスプラチン耐性細胞株すべてにおいて、チオレドキシンや核内でのレドックス制御とDNA修復酵素活性を持つRedox Factor-1(Ref-1)レベルが上昇していた。一方、MT欠損Cd耐性細胞は、Cdの取込が親株細胞に比べて約10%と非常に低い値を示した。これらの細胞株を用いることにより、MT以外の新たなシスプラチン耐性因子、Cd耐性因子、を見いだすことが可能になった。 2.日本側において、メタロチオネイン遺伝子欠損マウス(MTKOマウス)、及びその対照となる129SVマウスに、膀胱癌を誘発するN-butyl-N-4-hydroxybutyl nitrosamine(BBN)を飲水から2カ月間摂取させ、MT遺伝子の有無が癌発生率に影響を与えるかどうか検討した。その結果、癌発生率は129/SVマウスで42.9%であったのに対し、MTKOマウスでは72.9%と1.7倍高かった。また、129/SVマウスではBBN投与期間中に亜鉛を連続投与することにより、癌発生率が20%まで減少したが、MTKOマウスでは癌発生率が変化しなかった。従って、BBNによる化学発癌に対し、メタロチオネインが抑制的に働くことが明らかになった。
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