研究課題/領域番号 |
08044332
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
藤木 博太 埼玉県立がんセンター, 研究所, 所長兼部長 (60124426)
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研究分担者 |
IN Kyoung Li Ajou University School of Medicine, 所長
林 慎一 埼玉県立がんセンター, 研究所・生化学部, 主任研究員 (60144862)
末岡 榮三朗 (末岡 榮三郎) 埼玉県立がんセンター, 研究所・血清ウイルス部, 研究員 (00270603)
菅沼 雅美 埼玉県立がんセンター, 研究所・血清ウイルス部, 主任研究員 (20196695)
LIM In Kyoung Professor, Ajou University, School of Medicine
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 肝発がん / ノジュラリン / 肝発がんプロモーター / アンドロゲンレセプター / エストロゲンレセプター / 初期応答遺伝子 / TNF-α / 内因性発がんプロモーター / Gene expression |
研究概要 |
i)ラット初代培養肝細胞に於けるTNF-α遺伝子と初期応答遺伝子の発現 ノジュラリンによる肝発がん二段階実験の際、肝組織にTNF-α mRNAとjun及びfosファミリー初期応答遺伝子の発現が強く誘導されることを昨年報告した。TNF-αは通常マクロファージから遊離されると推測されている。私共はTNF-αを内因性発がんプロモーターと考えているから、肝細胞がTNF-α mRNAを発現し、又、同時に初期応答遺伝子の発現も誘導するか検討した。ラット初代培養肝細胞にノジュラリンを処理すると、著明なTNF-α mRNAの発現亢進とその安定性が認められ、ラットで得られたと同様の結果が認められた。初期応答遺伝子に関しても同様であった。この結果から標的細胞である肝細胞は、ノジュラリンの処理によりTNF-α mRNA、及び、初期応答遺伝子が発現することを証明した。 ii)肝発がんプロモーションに於けるTGF-βレセプターの発現変化 肝発がん二段階実験で得られたGST-P陽性巣について、TGF-βレセプター、タイプ1とタイプ2の発現を検討した。前がん病変の組織は、明らかにタイプ1とタイプ2の発現が減少していた。この結果は、ノジュラリンの発がんプロモーションの経過と、TGF-βレセプターの反応性の減少が、密接に関連あることを示唆した。 iii)マウス皮膚発がんプロモーションとTIS21遺伝子発現 平成7年度第1回アジュー大学-埼玉県立がんセンター研究所の合同研究会に於いて、林所長のグループがTIS21遺伝子について長年研究していることを知った。しかも、TIS21は新しいがん抑制遺伝子として作用することが推測された。私共の研究グループは長年、マウス皮膚発がんプロモーションについて研究している。この皮膚発がんプロモーションにより生じる腫瘍とTIS21遺伝子発現との変化を検討することにした。アジュー大学医学部生化学講座Myung Soog Lee助手を受け入れこの研究に従事するよう取り計らった。いろいろと処理したマウス皮膚からRNAを精製し、TIS21遺伝子の発現を定量的RT-PCRを行った。正常な皮膚ではTIS21 mRNAは発現していたが、100mgジメチルベンツアントラセン(DMBA)を処理すると、TIS21 mRNAの発現は抑制された。腫瘍としてパピロームとがん腫では、TIS21 mRNAの発現には量的差は認められなかった。興味があったのは発がんプロモーター、オカダ酸の単独処理で、TIS21 mRNAの発現が亢進することが見出された。
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