研究課題/領域番号 |
08101002
|
研究種目 |
特別推進研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
|
研究機関 | 京都大学 (1999-2000) 高エネルギー加速器研究機構 (1997-1998) 東京大学 (1996) |
研究代表者 |
西川 公一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60198439)
|
研究分担者 |
石井 孝信 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 助手 (90134650)
大山 雄一 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 助手 (30213896)
中村 健蔵 (中村 建蔵) 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 教授 (10011735)
奥野 英城 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 助教授 (10013400)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
288,000千円 (直接経費: 288,000千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 80,000千円 (直接経費: 80,000千円)
1997年度: 127,000千円 (直接経費: 127,000千円)
1996年度: 71,000千円 (直接経費: 71,000千円)
|
キーワード | ニュートリノ質量 / ニュートリノ振動 / 加速器ニュートリノ / 長基線 / ニュートリノ / 素粒子 / レプトン / 標準模型 / 加速器ニュートリノ実験 / 陽子加速器 |
研究概要 |
本研究は、平成8年よりニュートリノ振動実験のための前置検出器の設計、製作を行なってきた。検出器はスーパーカミオカンデを縮小した、1kトン水チェレンコフ測定器、水とシンチレーションファイバーからなるニュートリノ反応用ターゲット、電子測定用の鉛ガラス、ミューオンのエネルギー測定用の鉄とチェンバーから成る。平成10年度には設置を完了し、2月には前置検出器ではじめてのニュートリノ事象を検出、平成11年6には約14日のデータ収集をおこない、加速器からの人工ニュートリノが250km離れたスーパーカミオカンデで検出された。これは人工的に作られた素粒子が地球規模の距離を飛び、それが確認された、世界初のことである。 平成12年6月末を持って、約100日間のデータ収集を終え、以下の成果を得た。 (1)全データ収集期間にわたり、ニュートリノビームの方向の制御およびそのモニターが1mrad.の精度で可能なこと。 (2)GPSの時間情報によって、加速器起源のニュートリノを選び出せること。大気ニュートリノ等のバックグラウンドは10^<-4>から10^<-5>という無視できる程度であること。 (3)本研究で製作した前置検出器では、1日に約3、000のニュートリノ事象が検出されており、ニュートリノビームの量とその安定性は、本研究で製作した前置検出器で確認されている。 結果、ニュートリノ振動が起こっていなければ約40個のニュートリノ事象がスーパーカミオカンデで起こることが期待される。一方実際に検出された事象は27個であった。これは90%の確率でニュートリノ振動が存在することを示す結果である。 この結果は2,000年6月のNEUTRINO2000,8月のICHEPで報告した。さらなる数年のデータ収集で、スーパーカミオカンデにおける大気ニュートリノの測定で示されたニュートリノ振動を確認することが可能である。
|