研究課題/領域番号 |
08102009
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
相沢 慎一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (60073011)
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研究分担者 |
山本 朗仁 熊本大学, 発生医学研究センター, 講師 (50244083)
松尾 勲 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (10264285)
村田 卓也 熊本大学, 医学部, 助手 (70305001)
植木 龍也 熊本大学, 医学部, 助手 (10274705)
倉谷 滋 熊本大学, 医学部, 助教授 (00178089)
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研究期間 (年度) |
1996 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
311,000千円 (直接経費: 311,000千円)
2000年度: 62,000千円 (直接経費: 62,000千円)
1999年度: 62,000千円 (直接経費: 62,000千円)
1998年度: 62,000千円 (直接経費: 62,000千円)
1997年度: 54,000千円 (直接経費: 54,000千円)
1996年度: 71,000千円 (直接経費: 71,000千円)
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キーワード | Otx / Emx / 前後軸形成 / 頭部誘導 / 原脳形成 / 中脳形成 / 前脳形成 / 皮質形成 / 頭部神経堤細胞 / 原始内胚葉 / エピブラスト / 吻側原始内胚葉 / シスエレメント / 吻側神経外胚葉 / 原皮質 / 脳領域化 / ノックアウトマウス / 頭部形態形成 / ヘッドオーガナイザー / 原子内胚葉 / 脳の部域化 / 終脳形成 / 0tx / ヘッドオ-ガナイザー / ヤツメウナギ / 中脳神経堤細胞 / 0tx2 / 0tx1 / Emx2 / Emx1 / 中枢神経堤細胞 |
研究概要 |
Otx,Emxファミリーの遺伝子に関連して種々の変異体を作成することなどにより、哺乳動物の頭部形成に関し以下の点等を明らかにした。 (1)卵筒胚期原始内胚葉は胚体部分と胚体外部分で異なる性格を持つが、着床直後の原始内胚葉はすべて胚体外原始内胚葉の性質を持つ。胚体外胚葉でOtx2とCriptoは相補的に働き、原始内胚葉にOtx2陽性遠位部(DVE)と胚体部を誘導し、形成されたDVEは近接する胚体外胚葉に働き、Otx2の働きによって後方マーカーを抑制、後方マーカーが近位部胚体外胚葉のみで発現することによって、前後軸はまず遠近軸と一致して形成される。 (2)この前後軸形成が起こらないと、発生する胚r1/2領域のみよりなり、この領域は哺乳動物のボディプランにおける基底状態と考えられる。 (3)ついで嚢胚形成に先立ちOtx2陽性DVE細胞が将来の吻側に移動し、吻側原始内胚葉(AVE)を形成、これに伴って近位部胚体外胚葉で発現する後方マーカーは予定原条領域で発現するようになり、この軸回転によって前後軸は遠近軸に直交するようになる。Otx2はこの軸回転のためのDVEの移動に必須に働く。 (4)AVEは原条からの後方化シグナルを抑制することによって、原条形成後ノードより形成される吻側胚体内中胚葉は誘導シグナルを送ることによって、2段階で外胚葉に吻側部が誘導される。Otx2はこれらの過程に働く. (5)誘導された吻側神経外胚葉でOtx2は将来前脳、中脳となる領域(原脳)の確立に働く。 (6)原脳領域でOtx1とOtx2は協働して中脳の形成に働く。 (7)原脳領域でEmx2とOtx2は協働して原皮質、間脳(視床、pretectum吻側部)の形成に働く。但しpretectum尾側部(交連領域)の形成にはEmx2発現の抑制を必要とする。 (8)Emx2はEmx1とも協働して天井板及び新皮質領域に対する原皮質領域の形成に働く。 (9)皮質形成においてEmx1とEmx2はCajal-Retzius細胞とsubplate neuronsの形成に必須の働きをし、皮質層構造形成の特徴であるinside-outの細胞移動を既定する。 (10)Otx2は頭部神経堤細胞形成にも必須で、その欠損は神経頭蓋、三叉神経視神経枝の欠損に至る。
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