研究課題/領域番号 |
08202102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
仲 真紀子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (00172255)
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研究分担者 |
内田 伸子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (70017630)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 助数詞 / 語彙獲得 / 大学生 / 幼児 / 日中比較 / 言語獲得 |
研究概要 |
仲・内田班は、2〜6歳児を対象に助数詞の獲得過程を調べてきた。その結果、助数詞は養育者による働きかけと幼児の認知能力の発達により、数年をかけて獲得されることが示された。今年度は、助数詞の言語体系について、二つの観点から検討した。 研究1:大人は助数詞に関して、どのような知識を有しているのか。大学生195名を対象に386の助数詞について、(1)定義、(2)具体例、(3)その助数詞を用いる数の調査を行った。この研究は、仲が担当した。 研究2:中国人幼児による生物助数詞の獲得過程:日本人幼児についてはすでに内田・今井(1996)による研究がある。そこで中国人幼児235名を対象に比較研究を行った。方法は、(1)パペットの数え誤りを正しく指摘できるか(再認)、(2)慣用の助数詞を述べることができるか(再生)、(3)なぜその助数詞を用いるか説明できるか(理由づけ)を調べるというものであった。この研究は、内田が担当した。 まとめ:研究1の結果、日本人の大人は100以上の助数詞について、定義、例、用いる数ともにかなり確固とした知識をもっていることが示された。また調査2により、日本人幼児は中国人幼児に比べ、早い時期から助数詞を意識化し、使用していることが示された。これは、日本語の助数詞の対象カテゴリがより明確であるためと考えられる。以上の結果は、語彙の獲得が、養育者によって与えられる言語環境や幼児の認知発達といった個々人に直接関わる要因のみでなく、言語体系という、獲得すべき目的対象の構造にも大きく依存することを示唆している。
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