研究課題/領域番号 |
08202211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
渡辺 富夫 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30167150)
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研究分担者 |
黒田 勉 岡山県立大学, 情報工学部, 助手 (60264909)
大久保 雅史 岡山県立大学, 情報工学部, 講師 (10233074)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ノンバーバルコミュニケーション / 引き込み現象 / 母子相互作用 / 情動 / コミュニケーション / 生体情報計測 / ヒューマン・インタフェース |
研究概要 |
[1]生体情報計測システムの開発 コミュニケーションにおける引き込み現象を生理的・情動的側面から分析評価するために、皮膚温・心拍間隔変動等の生体情報の時系列的変化を同時計測する生体情報計測システムを開発した。さらに情動評価のための顔画像計測システムを開発した。本システムを口唇運動の解析に応用し、平成8年度情報処理学会大会優秀賞を受賞した。 [2]情動の定量評価 喫煙による薬理的効果で血管収縮を起こさせる条件下で、サーミスタとサーモグラフィを用いて各種末梢部皮膚温を計測し、情動評価の計測部位として指背面が有効であることを明らかにした。また恐怖に対する情動変動に着目し、恐怖のビデオ視聴における皮膚温、心拍間隔変動、呼吸を計測した結果、恐怖に対する情動変動においても皮膚温の計測部位として指背面が有効であることを確認し、恐怖ビデオ視聴では環境ビデオ視聴に比べて統計的に有意に皮膚温が低下することを明らかにした。同様に呼吸については呼吸数が多くなり、心拍間隔変動は心拍間隔の低下を伴ってそのばらつきが小さくなる傾向がみられた。さらに情動ストレスの負荷を変化させたときの生理指標と情動との関連性を評価検討した。 [3]生体情報計測によるコミュニケーションにおける引き込み現象の分析評価 対面コミュニケーションにおける対話者相互の呼吸の引き込み現象を分析評価し、呼吸が合うことの重要性を明らかにした。さらに乳児の睡眠移行過程での母子間のインタラクションを心拍間隔変動に基づき分析した結果、母子共に心拍間隔変動の周期性(呼吸成分)が検出され、情動面での引き込み現象が観察された。これらの結果は、円滑なコミュニケーションが図られるには、こういった情動まで含めた生理的側面での引き込み現象が生じていることを示すものである。このように従来主観的行動観察による定性的研究の色彩が強いこの分野に、生体情報計測手法を導入し、新たな定量評価手法を確立した。
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