研究課題/領域番号 |
08203109
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
辛島 昇 大正大学, 文学部, 教授 (10014466)
|
研究分担者 |
粟屋 利江 東京大学, 文学部, 助手 (00201905)
山崎 元一 国学院大学, 文学部, 教授 (80052140)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ヒンドゥー文化 / ヒンドゥー王権 / バラモン / カースト制度 |
研究概要 |
本研究は、東南アジアにおける国家と社会の歴史的発展の上にインドの宗教と政治思想が与えた影響を明らかにすることを目的としている。こうした東南アジアとインドとの交流の歴史の中で、ドラヴィダ民俗の居住する南インドの果たした役割は非常に大きい。研究代表者の辛島は、南インドの諸王国、とりわけパッラヴァ、チョ-ラの両国王における王権の思想と実態が、クメール帝国をはじめとする東南アジアの国家の形成や王権の発達にいかに貢献したかを考察した。また、研究分担者の三名に南インド研究者四名を加えた七名が合宿し、南インドの王権の諸問題について問題提起と研究報告をおこなった。その成果は、近く東方学会の英文機関紙Acta Asiaticaの特集号に発表される。研究分担者の山崎は、インドの王権思想の中心に位置する正統派バラモンの王権論と、ヒンドゥー教の聖典とされる二大叙事詩に見られる王権論を検討した。研究分担者の粟屋は、インドの王権を宗教的に支えた司祭階級バラモン、とくに南インドのナンブ-ディリ・バラモンに関する研究に従事した。 インドの伝統的な王権思想はまず北インドに起こった。その思想は、南インドにおいて部分的な変更を加えられつつ受け入れられ、やがて東南アジアに伝わり、ここにおいても諸民族によって独自の変更を加えられつつ受け入れられた。本研究によってこうした王権思想の流れの諸様相が、かなり解明できたといえよう。
|