研究概要 |
詩テクストの分析をコンピュータで支援する枠組みは,通常,個々の単語のレベルを基礎としている(コンコーダンスなど)。しかし,詩行の構造という,詩テクストにとってより本質的な問題を考えるためには,従来の枠組みでは不足である。 本研究は詩行間の関係分析をコンピュータで支援する枠組みを考える。詩行構造のモデルとしては,詩における根本原理として現在までに最も有望である並行法モデルを採用した。並行法モデルによるコンピュータ分析において,プログラムに実装可能で,広い実用性もあるのが,ワード・ペアの解析処理である。ワード・ペアとは,並行する行の間で現れる,対になった単語のことである。このペアは詩人による選択の必然の結果であり,詩行の並行構造を最もよく浮かび上がらせる鍵である。この対のリストの解析処理のための基礎的調査研究を行った。
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