研究課題/領域番号 |
08209104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣松 毅 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80012491)
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研究分担者 |
調 麻佐志 信州大学, 人文学部, 講師 (00273061)
永瀬 伸子 東洋大学, 経済学部, 講師 (30277355)
大平 純彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (20194285)
庄田 安豊 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (40245353)
豊田 敬 法政大学, 経営学部, 教授 (40106951)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ミクロデータ / 社会生活基本調査 / 非市場経済活動 / 家計生産関数 / 無償労働 / 余暇活動 |
研究概要 |
本研究班の課題は、総務庁「社会生活基本調査」等のミクロデータを用いて生活時間・生活行動に関する実証的研究を行うことにある。しかし生活時間に関するデータを用いた研究の蓄積が他の研究分野と比べると少ないことから、本年度は、集計データ等を用いて、研究の方向性を定めるための予備的な検討に多くの時間を割いた。 まず第一に、「社会生活基本調査」の余暇活動に関する調査項目を生かして、個人の余暇活動の多様な嗜好形成について検討した。東京都区部に住む個人を対象として、これを義務教育を受けた府県別に再集計して行動者率を求めた。その結果、余暇活動の嗜好には、楽器の演奏、書道などのように義務教育を受けた地域に規定される面があるものが存在することが明らかになった。 第二に、日本の男性が家事労働をしない原因を探るため「社会生活基本調査」によって総労働時間を求め、日本における男女の労働時間の配分を比較検討した。男性の家事時間が短いのは男女間の分業の結果であるという見方もあるが、男性の家事の行動者率は特に60歳未満の階級で極めて低く、男性の一部に家事労働をほとんど行わない層が存在することが明らかになった。 第三に、家計の非市場経済活動の経済分析について検討し、特に主婦が経済活動を市場活動として行うか非市場活動として行うかに関して「制度的条件」が意思決定に影響を及ぼしていることを明らかにした。また母親の就業行動と育児の関係の検討から、それにさく時間と市場財には一定の代替関係があることが予想された。来年度のミクロデータの本格的利用によってこうした点を明らかにしていくこととしている。
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