研究課題/領域番号 |
08209114
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伴 金美 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (30027578)
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研究分担者 |
吉田 あつし 大阪府立大学, 経済学部, 助教授 (60240272)
鈴木 和之 (鈴木 和志) 明治大学, 商学部, 教授 (40226501)
前川 功一 広島大学, 経済学部, 教授 (20033748)
久松 博之 香川大学, 経済学部, 助教授 (90228726)
小川 一夫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90160746)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1997年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1996年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | パネル / 擬似パネル / ミクロ統計 / 企業情報 / データベース / 最適階層選択 / 単位根 / 共和分 / 疑似パネル / 企業データ / 全国消費実態調査 / パネルデータ / 疑似パネルデータ / 財務データ / 企業投資 / パネル分析 / 企業財務 / 企業行動 / コ-ホ-ト / ミクロデータ / 計量経済学 / 日経金融行動調査 |
研究概要 |
1996-1998年度にかけて、ミクロ・データによるパネルデータベース構築の可能性を検討した。日本の大型標本調査では、世帯を対象とした完全なパネルデータは、農林業センサスを除いては存在しない。1984年、1989年及び1994年の「全国消費実態調査」から、コーホート属性である年齢と居住地域によって疑似パネルデータを作成した。 作成実験では、居住地域を都道府県単位とし、年齢を1歳刻みとして勤労者世帯について約1900コーホート、全世帯について約2500コーホートを得た。集計対象となる項目は71項目あり、年齢は20歳から77歳までとなっている。 作成された疑似パネルデータによれば、所得の変化と消費支出の変化に正の相関があり、恒常所得仮説を否定する現象が示された。その要因としては、流動性制約が考えられ、所得・流動資産比率を用いて標本を二分し、流動性制約要因をシャドウ変数とすることで、家計の動学的最適化行動が認められることを明らかにした。さらに、コーホート集計の最適性を、最適階層数選択の問題として考え、累積予測誤差を最小にするようにコーホート集計単位について検討した。又、時系列の非定常性概念からパネル推定量の漸近的特性を分析したところ、非定常時系列変数の推定量が、非標準分布となること、定常時系列変数の推定量分布が、SUR推定がOLSQ推定と比較して効率的であることを明らかにした。 一方、インターネット上にWWWブラウザーで検索可能な、企業情報データベースを有価証券報告書データという一般に公開されているミクロデータによって構築し、特定(旧称 重点)領域の研究分担者に公開した。さらにそのデータベースにより、限界qに関する設備投資の境界値を含む非線形モデルと線形モデルが推定され、電気機械と鉄鋼業の設備投資の境界値が、他の産業と比較して有意に高いことが明らかにされたが、電気機械では、限界qの標本平均とメディアンが他と比較して高く、収益性の高い投資機会の豊富に存在することが示唆され、鉄鋼業では非線形設備投資関数の傾きが最も高く、固定的な調整費用の大きなことが示された。
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