研究概要 |
Webの微分幾何学は葉層構造の重ね合せにたいしてアフィン接続を定義し、それと幾何構造との対応を調べるものである。しかし一般に自然なアフィン接続が唯一定義されることはなく、いくつかのアフィン接続が同時に定義される。代表者は論文1の中でそれらが全て一致するものを葉層が余次元1の場合に決定した。これはPoincare, Reidemeister, Mayerhoferらの古典的結果を一般化するものである。また代表者は一般にそれらの平均曲率形式が1930年代にBlas chkeにより定義されたものに一致することを示した。このことはある種の可化積分系の幾何学に応用される。ホロノミックな\R∧{n}\上の一階偏微分方程式はその上の射影余接空間のn次元部分多様体によりあえられ、その上で微分方程式は接触形式により与えられる。ここにWeb幾何学を応用することで多様体上のBott接続はChern-Goldberg接続と呼ばれる多様体のアフィン接続に拡張する。その接続形式を低空間\R∧n\に射影して平均したものがBlaschkeの曲率形式を与える。この曲率形式はある場合に微分方程式のモジュライ空間と1対1に対応していることがわかった。これらのことはUniversite Paul Sabatier, Toulouseで1996年12月2--6日に行われたWeb幾何学のシンポシウムJournees sur les tissusで発表され、それのレクチャーノートとして出版のために準備中です。また論文[2]では実解析的境界を持つ複素平面領域の分類の境界における局所問題を複素力学系の手法で解決した。
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