研究課題/領域番号 |
08211217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大槻 知忠 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (50223871)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 位相幾何学 / 3次元多様体 / 結び目 / 絡み目 / 不変量 / 量子不変量 / 有限型不変量 |
研究概要 |
1989年にWittenが経路積分とよばれる接続の空間の上での積分を用いて3次元多様体の(特別な場合として、結び目の)不変量を「定義」した。接続の空間は無限次元であるため、このWittenの「定義」は数学的に厳密ではないが、このWittenの不変量はその後様々な形でWittenのアイデアにもとづて再構成され、現在、量子不変量と呼ばれて、活発に研究されている。 さて、絡み目のすべての量子不変量はKontsevichにより、普遍不変量(Kontsevich不変量)に統一された。筆者は、村上順、Thang Le両氏との共同研究で、この普遍不変量から3次元多様体の不変量(普遍摂動不変量)を構成した。これが、3次元多様体の摂動的量子不変量を統一していることが期待されている。さらに、村上順氏との共同研究で、普遍摂動不変量のみたすべき位相的量子場理論について考察した。 一方、Vassilievにより絡み目の有限型不変量が定義されている。Kontsevich不変量は有限型不変量を統一しているとう意味においても普遍である。すなわち、任意の有限型不変量はKontsevich不変量をfactorして得られることがわかっている。 これと類似の手法で3次元多様体の量子不変量を理解するため、筆者は、整ホモロジー球面の有限型不変量を定義した。さらに、Stavros Garoufalidisとの共同研究で、この有限型不変量が、絡み目の有限型不変量と同様に、「weight system」を定めることを証明した。これとThang Leの結果をあわせると、普遍摂動不変量が普遍な有限型不変量であることが示される
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