当該研究計画の部分報告として書かれた二つの論文の中、第一論文は、N=4超共形対称性の非同一代数に対するFeigin-Fuks表現を扱っている。N=4SU(2)_k超共形代数は、左因子をKac-Moodyゲージ対称性としてもつSO(4)【approximately equal】S(2)×SU(2)の大局的自己同形性をもつ。その結果、外部自己同形群SO(4)/SU(2)=SU(2)の共役類に対応するpによって名付けられた無限個の独立な代数が、Schwimmer-Seibergの方法によって得られる。この論文では、その無限個のN=4非同一代数に対して、pパラメータを組み込んだFeigin-Fuks表現を構築する。pで名付けられた、拡張された大局的SU(2)代数は、適切な境界条件を満たすフェルミオン場によって矛盾無く表現される 第二の論文では、N=4SU(2)_κ超共形代数のFeigin-Fuks表現のパラメータ空間をスペクトルの流れの観点から研究する。スペクトルの流れのη位相が捻ったフルミオンを通して上手くもち込まれ、N=4超共形代数の内部自己同形性から得られるスペクトルの流れが演算子の間の恒等式として作用していることが具体的に示される。 研究計画を遂行する上で、物理学者のみならず数学者との交流と議論の交換が極めて有用かつ有益であった。
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