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頂点作用素代数の数理物理学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08211236
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

永友 清和  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90172543)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード頂点代数 / ボゾン / 共形ベクトル
研究概要

頂点代数の最も基本的な例である自由ボゾン場のなす頂点代数の共形ベクトルの分類を実行した。頂点代数と共形ベクトルの対は一つの共形場理論を与えるので、自由ボゾン場に由来する共形場理論の分類が実現されたことになる。また、この研究の過程で一般の頂点代数を定義する公理系に関する新しい視点が開かれた。
共形ベクトルの分類はより基本的な対象であるハイセンベルグベクトルを分類することにより実行されたが、そこでの主要な方法はWickの定理である。Wickの定理を複雑に利用することによりHeisenbergベクトルの分類が可能になった。Heisenbergベクトルの決定は、そのほかにも自由ボゾン頂点代数の自己同型群の決定を可能にした。実際、この分類結果を用いて自己同型群が完全に決定される。
一方、この研究の過程で頂点代数を定義する公理系を状態空間ではなく場の空間の構造から定義する方がより自然であるという認識に達した。現実には、場の空間が加算無限個の双線形2項演算で閉じている場合には、局所可換性を仮定すればその場が、Borcherdsの恒等式を満たすことを直接証明することができる。また、この事実は上記の条件を満たす場の集合が与えられたとき、状態ベクトルの空間に頂点代数の構造が定義されることを意味する。
現時点までに本研究で用いられた方法は、自由ボゾン頂点代数に特徴的なことであり、一般の頂点代数には適用できない。実際、特に、有限単純群の理論に関係して現れるLattice頂点代数に同じ方法を適用することができない。現在この方向に対して研究を進めており、部分的な結果を得ているものの未だ充分ではない。この場合に研究目的を達成するためには内部自己同型群の構造の解明が不可欠であると考えられるが、その構造は非常に複雑であり、今後の研究の進展はその構造論の確立にあると考えられ、現在その方向で研究を続けている。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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