研究課題/領域番号 |
08212203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
矢部 孝 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60016665)
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研究分担者 |
青木 尊之 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (00184036)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 超新星 / エジェクタ / Vela / シミュレーション / レーリーテーラー不安定性 / 衝撃波 / 気泡 / CIP |
研究概要 |
最近、X線衛星ROSATによる観測で、Velaの超新星残骸の中に、複数の衝撃波に先行するエジェクタと思われる像が得られた。現在の所この現象を説明する理論はない。我々は、この現象を解明するために、独自に開発した気体から液体、固体へと相転移してゆく過程を一つのスキームで統一して解くことができる計算手法CIP法による三次元流体シミュレーションコードを適用した。我々は、この原因を爆発時に誘起されたレーリーテーラー不安定性と衝撃波との相互作用にあると推定して、レーリーテーラー不安定性によって形成されたバブルに衝撃波が入射する過程を計算した。この過程は、腎臓結石を破砕するために結石に気泡を付着させ、これに衝撃波を印可すると液体マイクロジェットが生成され衝撃波の圧力の100倍にも相当する高圧が発生する事実からの類推である。もし、このようなバブル(気泡)と衝撃波の相互作用が超新星爆発にも適用できれば、超高速エジェクタは丁度液体マイクロジェットのメカニズムと一致する。我々は、腎臓結石の破砕のシミュレーションを行い、実験結果との良い一致を見た。さらにこのパラメータを超新星爆発に適用した結果、衝撃波背後の密度の2倍から3倍の高密度でかつ集中した固まりが形成され高速で加速されることを見いだした。気泡の形、サイズを変えながらシミュレーションを繰り返したところ、衝撃波のマッハ数や気泡のスペクトル比に大きく依存する結果を得た。このエジェクタがVela超新星で観測されたものと一致するかどうかは今後の課題であるが、その有力な候補であることは間違いないであろう。
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