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X線結晶構造解析によるアミノアシルtRNA合成酵素の反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08214201
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

濡木 理  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10272460)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードトランスファーRNA / アミノアシルtRNA合成酵素 / X線結晶構造解析 / zinc finger / 蛋白質合成
研究概要

1。グルタミルtRNA合成酵素とグルタミン酸tRNAの複合体のX線結晶構造解析
tRNA^<Glu>の遺伝子を高度好熱菌からクローニングし、T7 RNA polymeraseを用いてin vitroで大量のtRNA^<Glu>を調製した。PEG1500と硫安の混合系を沈殿剤として用いることで、板状結晶(0.4×0.2×0.01mm)を得た。高エネルギー研究所のBL6Aを用いて回折強度の測定を行ったところ、厚みが10μmと極めて薄いにもかかわらず、3.5Åまでの反射を集めることに成功し、晶系はmonoclinic P2で格子定数はa=105.5Å,b=130.6Å,c=113.4Å,β=117.0°であることがわかった。さらに最近、結晶を瞬間凍結することによって、3.0Åまでの分解能の反射データを収集することに成功した。今後分子置換法を用いて、このGluRS・tRNAGlu複合体の結晶構造を解明していく予定である。これにより、結晶にグルタミン酸およびcaged-ATPを浸潤させて、レーザー光により反応をトリガーすることにより、時分割ラウエ法を行うための基盤を確立することに成功した。
2。イソロイシルtRNA合成酵素(IleRS)のX線結晶構造解析
我々はすでに高度好熱菌IleRSの結晶化(単斜晶系C2:a=160Å,b=95Å,c=128Å,b=128°)に成功していたが、この結晶の水銀化合物置換体、メチオニンをセレノメチオニルに置換したIleRS、イソロイシルAMPのヨード化アナログを結合させた置換体、新たにシステイン残基を導入した変異体IleRSの水銀置換体を用いて、重原子同型置換法により位相決定に成功し、2.8Å分解能での構造を決定することに成功した。高度好熱菌IleRSは、Rossmann foldを含む触媒ドメイン、それに挿入されたβシート構造に富むCP-1およびCP-2ドメイン、tRNAのアンチコドンを認識するα-helix bundleから成るドメインの計4ドメインが緊密に結合して、rigidなL字型構造をとっていた。近縁なMetRS(大腸菌由来)と比較すると、触媒ドメインおよびC端側のα-helix bundleドメインは構造が非常に良く似ているのに対し、CP-1およびCP-2ドメインは構造が全く異なっていた。このCP-1およびCP-2ドメインは、興味深いことに4つのシステイン残基からなる新規のタイプのzinc fingerを持ち、それぞれ亜鉛イオンを結合していた。IleRSとtRNAのドッキングモデルを作成したところ、CP-1ドメインの根本の亜鉛イオンは、tRNAのアクセプターステムに近接しており、アクセプターステムの認識に寄与していることが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Sekine,O.Nureki et al.: "Major Identity Determinants in the Augmented D Helix of tRNAGlu from Escherichia coli" J.Mol.Biol.256. 685-700 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 濡木 理・横山茂之: "アミノアシルtRNA合成酵素:構造的見地から見た基質認識機構と分化進化" 日本結晶学会誌. 38. 60-67 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 濡木 理・横山茂之: "トランスファーRNAの構造生物学" 科学(岩波書店). 66. 548-555 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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