研究課題/領域番号 |
08214211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 祐次 大阪大学, 薬学部, 教授 (20127228)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ネオカルチノスタチン / 多核多次元NMR / 分子動力学計算 / IGF-I |
研究概要 |
平成6年度より3年間にわたり本重点領域研究"動的蛋白質結晶解析"に採択され、70個のアミノ酸からなるインスリン様成長因子IGF-Iの溶液構造を決定し、IGF-Iのジスルフィド結合の結合様式を変えたアイソマ-の構造活性相関を検討した。さらに遺伝子工学的手法により^<15>Nで標識したIGF-Iを大量に合成し、多核多次元NMR法により、その溶液構造を精密化した。また^<15>N、^<13>Cの二重標識したIGF-Iとその調節蛋白質IGF-BPの複合体の多核多次元NMRによる構造解析を行ってきた。この研究と並行して、本重点研究の課題により適した系として唯一の蛋白性の抗腫瘍剤であるネオカルチノスタチン(NCS)の細胞増殖阻害を示すクロモフォア(Chr)の放出のメカニズムを、同位体ラベルした蛋白質とChrを用いて多次元NMR法と分子動力学法により解析した。先ず、NCSを産出する放線菌を培養し同位体ラベルされたNCSのアポ蛋白質を大量に得る系を確立した。すでに600MHzの装置を用いて二次元NMRの解析を終えていたが、同位体ラベルされたNCSを、750MHzの測定装置を用いて三次元、四次元NMR法による解析を行った結果、先の二次元NMRでは得られなかった側鎖に関する距離情報や、回転角の情報を得ることが出来た。このデータより、アポ状態の構造の精密化を行った。さらに^<15>N核の緩和速度と重水素交換速度の測定を行った。現在、これらの結果を用いて分子動力学計算を用いて、ペプチド骨格ならびに側鎖の分子運動を解析している。大量生産系が確立出来たので、ホロ状態のNCSの水溶液のpHの滴定、アルコールやジオキサン等の有機溶媒の添加、さらに塩強度の変化などを行い、Chrの放出のトリガーを調べている。またNMR法と相補的にラウエ法による反応機構の解析が行えないか検討するため結晶かに努力している。
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