研究課題/領域番号 |
08216212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助教授 (20192544)
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研究分担者 |
鎌田 浩毅 通産省, 工業技術院地質調査所, 主任研究官
井口 博夫 神戸大学, 内海域機能教育研究センター, 助教授 (40112073)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | マグマ水蒸気爆発 / 火砕サージ / 熱残留磁化 / 古地磁気 / 堆積温度 |
研究概要 |
マグマ水蒸気爆発にともなって噴出した火砕サージ堆積物の熱履歴を、熱残留磁化測定に基づき復元し、堆積物の特性と堆積温度との関係を求めた。新島の羽伏浦火砕流堆積物は向山の886年の噴火に伴って形成された.当初は火砕サージと記載されたが、後に火砕流堆積物として記載されてきた。新島における羽伏浦火砕流堆積物の本質岩片及び外来岩片について野外で定方位試料採取を行い、熱残留磁気測定を行った。その結果、(1)外来岩片は1成分の熱残留磁化のみでその残留磁化の方向が試料ごとに大きく異なる外来岩片と2成分の熱残留磁化をもち低温側の残留磁化方位が現在の方向に揃う外来岩片が同一のフローユニット内に共存することが認められたことから、火砕流に取り込まれ流動する間に全く加熱されていない外来岩片と再加熱を受けて比較的高温のまま堆積した外来岩片が共存すること(2)本質岩片の軽石は、段階熱消磁実験において磁化方向が安定せず、交流消磁実験においても磁化強度が各消磁段階ごとに増減することから安定した残留磁化を保持していないこと、が明らかになった。従って、羽伏浦火砕流堆積物中の外来岩片は、岩片ごとに熱履歴が異なり、火砕流に関係した熱過程において高温に熱せられておらずに低温で堆積した岩片と高温で堆積した岩片が存在したと推定される。従来、羽伏浦火砕流は火砕流と考えられていたこと及び、堆積物中に火山豆石や黒曜石のようなマグマと水との接触を考えさせるような堆積物がなかったことから、比較的高温堆積したのではないかとの推定がされていた。今回の熱残留磁化測定の結果からは、低温のまま堆積した外来岩片と再加熱を受けた後に高温のまま堆積した外来岩片とが混在していることから外来岩片が冷却されない程度の熱を保持した流れであったことが推定された。
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