研究課題/領域番号 |
08217215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石原 照也 広島大学, 工学部, 助教授 (60168250)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 共振器ポラリトン / グレーティング / 励起子-光強結合 / 量子井戸 / 縮退4光波混合 / 多体効果 / 半導体ブロッホ方程式 / 量子細線 |
研究概要 |
1)グレーティング構造をもつ発光体の光学的性質 電子ビーム露光と反応性イオンエッチングでグレーティング構造を刻んだ石英基板に、層状ペロブスカイト型化合物(C6H5C2H4NH3)2Pb14をスピンコートしてその透過特性および発光特性を調べた。この物質の励起子振動子強度が大きいため分布帰還型共振器モードと励起子遷移の強結合が生じ、共振器ポラリトンが形成されたことが観測された。共振器ポラリトンの分裂エネルギーは非常に大きく100meVにも達する。また発光には指向性が見られるが、これは等間隔に並んだ細線状の共鳴発光体が間隔に共鳴した光の吸収と発光を繰り返し、位相を揃える現象であると考えられる。通常のファブリペロ-型微小共振器において行われる自発放出制御は高反射鏡によりもたらされた発光層における時間的なコヒーレンスによるものであるのに対し、周期的にならんだ発光体による空間的なコヒーレンスによるものであると対応づけることができる。 2)GaAs系量子井戸の反射型4光波混合信号のスペクトル分解 2次元励起子の多体効果を調べるために130fsの光パルスで縮退4光波混合を行い、主として負の遅延時間領域においてそのスペクトルをCCD分光装置でスペクトル分解し、負の遅延時間が大きくなるとシフトする高次の非線形信号を見いだした。この信号をさらに時間分解するためにアップコンバージョン測定系を整備した。またその原因を探るために半導体Bloch方程式の数値計算を試みた。 3)量子細胞線構造をもつ結晶の発光ダイナミクス 量子細線アレー構造をもつC5H10NH2Pb13の発光を時間分解しそのダイナミクスを検討した。発光緩和定数は13Kから150Kに温度が上昇することにより2桁程度増加する。この原因としては低温で局在していた波動関数が拡がることが考えられる。
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