研究課題/領域番号 |
08218104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
佐々木 政子 東海大学, 開発技術研究所, 教授 (00090514)
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研究分担者 |
小林 正美 筑波大学, 物工系, 講師 (70234846)
川久保 洋 東海大学, 医学部, 講師 (70204691)
伊藤 敦 東海大学, 工学部, 助教授 (80193473)
小宮山 真 東京大学, 工学部, 教授 (50133096)
藤田 斉 東海大学, 健康科学部, 教授 (10096258)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 光応答型オリゴヌクレオチド / 蛍光色素修飾 / フルオレセイン / リポソーム / ホスホロチオエ-ト型DNA / エンドサイトーシス / DNAオリゴマー / 細胞内親和部位 |
研究概要 |
本研究は細胞という生体環境場で、変異遺伝子あるいは外来遺伝子の発現による病気の発症を、光化学反応によって阻止する手法の開発を目指している。光応答型オリゴヌクレオチドとして、核酸への結合機能を有する蛍光色素フルオレセインを5'末端に修飾した11merオリゴヌクレオチド(5'-TTTCCTCCTCT-3'、以下F-DNA)を合成し、リポソームに内包させて細胞に取り込ませ、細胞内親和部位およびその動態を蛍光の検出によって調べた。このF′-DNAをさらにDNA分解酵素(DNase)が、F-DNAの核への到達を妨害しないことを明らかにするため、DNA分解酵素に耐性を持つホスホロチオエ-ト型F-DNA(F-S-DNA)を用いてF-DNAの挙動と比較検討した。 F-S-DNAリポソームは、細胞内取り込み後F-DNAリポソームと同様にリソソームを経由して細胞核に集積すると考察された。DNaseに耐性を持つF-S-DNAリポソームでも同様の細胞核への集積がみられたことから、F-DNAがDNaseに分解されずに細胞核に到達できる経路の存在が確認できた。細胞核内のF-DNA(またはF-S-DNA)の蛍光は、励起光照射により減衰したが、生理食塩水中で光照射してもほとんど減衰しなかった。この結果はF-DNA(またはF-S-DNA)が細胞核内の物質と何らかの光化学反応を起こしていることを示している。F-DNA(またはF-S-DNA)がインキュベート中に細胞核内DNAあるいはrRNAと二重らせんを形成し、光照射によってF-DNA(またはF-S-DNA)とその相補鎖が共有結合を起こした結果と考察した。 以上より、F-DNAおよびF-S-DNAは多層膜の中性リポソームとして細胞核内に到達できること、これらDNAオリゴマーの細胞内移行過程にリソソームを経由するエンドサイトーシス過程が存在することが明らかとなった。
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