研究課題/領域番号 |
08218207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 攻 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006332)
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研究分担者 |
藤塚 守 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40282040)
渡辺 明 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40182901)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | フラーレン / C_<60> / C_<70> / C_<76> / 光誘起電子移動反応 / レーザーフラッシュフォトリシス / 過渡吸収スペクトル / ラジカルアニオン |
研究概要 |
C_<60>をはじめとするフラーレン類と電子供与体または電子受容体との間の高速電子移動過程をレーザーフラッシュホトリシス法による近赤外領域の過渡吸収測定によって検討した。具体的には以下の知見が本研究によって得られた。 1. C_<60>の励起三重項状態の吸収の減衰と近赤外領域に出現するC_<60>のアニオンラジカルの吸収が生成速度を直接比較することにより、C_<60>の励起三重項状態を経由した電子移動メカニズムの解明を行った。このような励起三重項状態を経由した電子移動反応は、ポルフィリンやフタロシアニンのような大環状化合物やテトラメチルフェニレンジアミンのようなアミン類、さらにはエテン類においても観察することができ、その反応速度ならびに生成量子収率を決定した。さらにC_<70>やC_<60>においても励起三重項状態を経由した電子移動反応過程を明らかにした。また、テトラシアノエチレン等の電子受容体存在下での過渡吸収測定により、これらフラーレン類のカチオンラジカルが生成することを明らかにした。 2.ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリゲルマン等の高分子はC_<60>等のフラーレンに対して電子供与体であることをすでに明らかにしていたが、本年度においてはポリビニルカルバゾールにC_<60>を直接付加したサンプルについて電子移動過程を検討し、電子移動効率の向上がもたらされることを明らかにした。また、環状シラン化合物ならびに環状ゲルマン化合物についても電子移動反応を検討し、フラレンのラジカルアニオン生成とシリレンまたはゲルミレンの放出を伴う電子移動反応を明らかにした。
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