研究課題/領域番号 |
08218210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
住 斉 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10134206)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 溶液反応 / 遷移状態理論 / 非遷移状態理論 / 溶媒ゆらぎ律速 / 溶媒粘性率 / 溶媒摩擦 / 酵素反応 / 住・マ-カス理論 |
研究概要 |
研究代表者が今まで提唱してきた溶液反応速度定数の一般表式の特徴の一つとして、溶媒のゆらぎが遅くなり反応が溶媒ゆらぎの遅さに律速されるように連れて、速度定数が溶媒粘性率の-α(0<α≦1)乗に比例して減少するようになることが挙げられる。これは、多くの溶液反応で実際観測されるけれども、従来の化学反応速度の標準理論であるTSTでも(α=1しか与えない)Kramers理論でも説明し得なかった現象であり、非TST理論の発展を促してきた現象である。この一致は当理論の妥当性を象徴する。この現象は、生体酵素反応でもしばしば観測される。これは、酵素反応が溶媒ゆらぎの遅さに律速されていることを意味する。この状況では、反応が溶媒ゆらぎ律速になっていない状況(即ち、TSTが成立する状況)に比べて、反応速度は当然小さくなる。しかし、生体系は何億年にも渡る進化の結果、環境に出来る限り適合した機関を獲得してきていることを考えるとき、生体系がわざわざ反応速度が小さくなる反応機構を選択してきたことには重要な意味があると考えられる。即ち、酵素はその溶媒である水中における蛋白質構造のゆらぎを積極的に利用して反応を仲介していると考えられる。この立場に立つと、酵素がなぜ数千もの原子からなるゆらぎ易い物体となっているかが見えてくる。このことの基本的意味と酵素反応速度におけるその現れを明らかにした。
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