研究課題/領域番号 |
08218217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
腰原 伸也 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10192056)
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研究分担者 |
宮澤 貴士 理研, フォトダイナミクス研究センター, 研究員 (10241259)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 電荷移動 / 協力的相互作用 / 中性-イオン性 相転移 / 相境界癖 / 2電子励起 / 光異性化 / 2光子励起 / 反応選択 |
研究概要 |
TTF(ドナー:D)-CA(アクセプター:A)結晶においては構成分子間のクローン相互作用が重要な役割を果しており、低温においてはD、A分子間の電荷移動度の大きなイオン性相に、高温においては電荷移動度の小さな中性相になっている。この中性-イオン性相転移は光励起によっても引き起こされる。今年度の研究では、この光励起を約100フェムト秒の超短パルス光で行ないその後の反射率変化を調べることで、局所的電荷移動励起から巨視的ドメイン形成への相転移初期過程の追跡を行ない相境界癖の運動の様子を明らかにした。次に、ポリエン類の光異性化反応に関与している電子励起状態(2^1Ag)には、π電子間の電子相関(協力的相互作用場)が重要な役割を果たしている。この励起状態を2光子励起によって直接励起すれば、通常の1光子励起状態を経由する光異性化反応とは異性体の生成比率が全く異なっていることが期待される。実際にスチルベン、ジフェニルブタジエンの光異性化反応によて生成する異性体の比率が、共鳴1光子励起と非共鳴2光子励起では大きく異なることを、今年度明らかにした。また2光子反応励起スペクトルが、2光子蛍光や誘導吸収で求められている2光子励起状態2^1Agのそれとほぼ一致していることも確認した。これは、室温、溶液中、縮退したエネルギーを持つ電子状態の共存、という不利な条件下でも光反応経路の選択が可能なことを示している。
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