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不安定化学種の観測による半導体粉末光触媒の反応機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08218223
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

野坂 芳雄  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30134969)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード光触媒 / 半導体粉末 / 電子スピン共鳴 / ESR / 化学発光 / 酸化チタン / スーパーオキサイドラジカル / OHラジカル
研究概要

本研究では、光触媒反応の途中に生じる不安定な中間体を観測することから光触媒の機構について考察した。室温における懸濁液流通反応系において電子スピン共鳴(ESR)を用いたその場観察、そして、化学発光プローブを用いた不安定活性酸素種の観察の2つの方法で次のような成果が得られた。
ESRによる光触媒反応のその場観察では、酢酸の光触媒反応では生成する二種類のラジカル(CH_3とCH_2COOH)の生成比を勘案することにより、OHラジカルの出来やすさが触媒により大きく異なることを見出した。これは、問題となっている水溶液TiO_2懸濁系の光触媒反応でOHラジカルを経由する酸化反応と固体表面における直接酸化のどちらが起こるかについての知見を得る有力な方法といえる。TiO_2を加熱処理することにより、あるいは結晶性の良いTiO_2では、OHラジカルの生成を経ないCH_3ラジカルが多く観測されることを見出し、他の方法で調査した固液界面の構造との関連について調べている。
化学発光プローブによる不安定化学種の検出では、空気下での光触媒において重要な役割を果たす過酸化水素、OHラジカル、スーパーオキサイド(O_2^-)ラジカルなどの活性酸素を高感度で検出するための新しい方法として、ルミノールやMCLAという化学発光プローブを用いた。TiO_2を励起する光が共存する場合には、散乱および蛍光などにより、微弱な化学発光は観測できなかったが、照射光の遮断後に発光が観測出来ることを見出した。ルミノール存在下でTiO_2を照射すると、照射後の化学発光は1秒前後の寿命を持つ一次減衰と10秒前後の寿命を持つ二次減衰の2つの減衰に分けられるることが分かった。減衰の速い発光はスーパーオキサイドとの反応で発光し、遅い発光はH_2O_2との反応で発光が起こることがわかり、これらの量の見積もりが可能となった。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Nosaka,K.Koenuma,K.Ushida,A.Kira: "Reaction Mechanism of the Decomposition of Acetic Acid on Illuminated TiO_2 Powder Studied by Means of in situ ESR Measurement." Lang muir. 12(3). 736-738 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.Zhang,T.Kobayashi,Y.Nosaka,N.Fujii: "Photocatalytic Property of Titanium Silicate Zeolite" Journal of Molecular Catalysis,A.chemirstry. 106. 119-123 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakaoka and Y.Nosaka: "EPR Investigation of Unstable Intermediates in Photoinduced Reactions at CdS Semiconductor Particles Dispersed on CdO." Bullitin of Magnetic Resonance. 18. 141-142 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nakaoka and Y.Nosaka: "Electron Spin Resonance Study of Radicals Produced by Photoirradiation on Quantized and Bulk ZnS Particles." Langmuir. 13(4). 708-713 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nosaka and H.Fukuyama: "Application of Chemiluminescent Probe to the Characterization of TiO_2 Photocatalysts in Aqueous Suspension" Chemistry Letters. (4)(in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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