研究課題/領域番号 |
08218232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 文章 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80176924)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半導体光触媒反応 / 形状選択性 / 分子認識構造 / 層状チタン酸 / ウロコ鉄鋼型酸化チタン / アルコール脱水素反応 / 白金析出 / ステップ |
研究概要 |
酸化チタン(TiO_2)や硫化カドミウムなどによる半導体光触媒反応は、室温、常圧という温和な条件で進行させることができるが、一般的な粉末粒子の表面には分子サイズの構造が存在しないので、反応の選択性を求めることは難しい。そこで、ゼオライトなど空孔をもった化合物(マトリクス)に半導体微粒子を入れたり、粒子の表面を修飾して反応を制御しようとする試みがあるが、マトリクス自身が光を吸収したり、修飾剤自身が反応してしまうなどの問題点があった。本研究では、光触媒能とマトリクスを兼ね備えた触媒をめざして、層状チタン酸を調製し、その選択的光触媒能を調べた。予備的に検討した種々のチタン酸類のうちで層状構造をもつウロコ鉄鋼状酸化チタン(H_xTi_<2-x/4>□_<x/4>O_4 (□:vacancy);HLe)がとくに大きな選択性を示した。そこで、HLeを各種アルコール水溶液に懸濁させて光を照射した場合の水素生成速度を調べると、MeOH>EtOH>>n-PrOH>i-PrOH>t-BuOH>i-BuOH>n-BuOH の順であった。すなわち、アルキル鎖が短いほど、また同じアルキル鎖長では枝分かれが少ないほど速度が大きいと思われる。これらの結果から、HLeはアルコール分子のサイズや形状にもとづく反応選択性を有することが明らかになった。これは、HLeの層間に取り込まれたアルコール分子が反応すると考えると矛盾なく説明できる。TEM観察によると、HLeはいずれも薄片状で、層が積み重なった構造が確認された。塩化白金酸を含むアルコール水溶液から析出させた白金は、数nm程度の微粒子を形成し、その多くは層の末端部、すなわちステップ部分に分布していた。したがって、層状の結晶構造をもつHLeの光触媒反応では、励起電子による還元と正孔による酸化が、テラス部分ではなくステップ周辺でおもに進行することが明らかになった。
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