研究課題/領域番号 |
08218237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 佳久 大阪大学, 工学部, 教授 (30112543)
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研究分担者 |
和田 健彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (20220957)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 光化学 / 不斉合成 / エナンチオ区別 / 光増感反応 / 温度依存性 |
研究概要 |
本研究では、キラルな芳香族エステルによる励起錯体を経る一重項増感光異性化反応を用い、従来の成果を基盤として反応系を最適化することにより、光不斉反応で初めて100%の光学収率を達成した。さらに、人工ならびに生体由来のキラルな超分子系を利用することにより、より広範な「場のキラリティー」を利用する光化学的な不斉反応場を構築し、光不斉合成の新しい方法論として確立することが出来た。 具体的な研究成果としては、 1)均一溶媒系におけるキラルな光増感剤の(1)エステル部分の立体構造、(2)芳香族部分の電子状態・励起エネルギー、(3)励起錯体の寿命、(4)溶媒、(5)温度、(6)圧力などと不斉収率の関係から励起錯体における不斉認識機構を解明した。 2)分子力場法・半経験的分子軌道法を用いて増感剤の最安定配座と励起状態の電子状態を計算し、上記の実験結果と対応づけることが出来た。 3)上記1)の反応機構ならびに2)の理論計算の結果を活用して、最も不斉誘導効率が高くなると考えられるキラルな増感剤を設計し、さらに光学収率に与える温度効果も有効に利用することにより、光不斉反応系では初めて光学収率100%を達成した。 4)また、シクロデキストリン誘導体やDNA-光増感剤複合体により形成されるキラルな場に各種プロキラルな反応基質を導入して光照射することによって、「場のキラリティー」による光化学的不斉誘導を初めて試み、このような系でも充分不斉合成が可能なことを実証した。
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