研究課題/領域番号 |
08218242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 健一郎 広島大学, 理学部, 教授 (90106162)
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研究分担者 |
関谷 徹司 広島大学, 理学部, 助手 (30259981)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 放射光 / 内殻励起 / 表面光化学 / サイト選択反応 |
研究概要 |
本研究では、内殻電子励起による有機固体薄膜の光分解反応の機構を調べ、分子を任意の位置で自在に切断するという化学反応制御の究極の目標の1つに密接に関連する分子内サイト選択的化学反応の可能性を追求した。具体的には、シリコン単結晶表面にポリスチレンをはじめとする芳香族系高分子薄膜を塗布した試料を用いて、直線偏光した放射光による内殻電子の共鳴吸収スペクトルの角度依存からその分子の配向を決めるとともに、内殻励起により生成するイオン種の励起エネルギー依存から、サイト選択的分解反応機構の解明を行った。これまでに得られた研究成果の概要を以下に記す。 1.ポリスチレン薄膜の内殻励起イオン脱離反応を調べた。脱離イオンの同定と検出には、単バンチ運転による放射光パルスを利用した飛行時間型イオン分光法を用いた。炭素K殻電子励起では、H^+のみが主に脱離することが判明した。その収量スペクトルと別途測定した全電子収量スペクトルとの比較から、この系でのイオン脱離過程には、種々の共鳴励起状態が関与し、脱離イオン種の強度はσ^*(C-H)軌道への共鳴励起で選択的に増大することが明らかとなった。 2.上記の実験で観測したH^+イオンがポリスチレン分子のどの位置から脱離しているかを調べるため、ポリスチレンに含まれるすべての水素、主鎖の水素,側鎖の水素原子をそれぞれ重水素化したPsD8,PsD3,PsD5についての同様の実験を行った。いずれもD^+イオンが観測されたが、上記H^+の実験で見い出された興味深い励起エネルギー依存性やσ^*(C-H)軌道への共鳴励起での選択的な増加は、PsD8とPsD5で顕著に見られPsD3では殆ど見られなかった。その結果から、ポリスチレンの内殻励起では側鎖のフェニル基の水素が選択的に脱離すると結論できた。
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