研究課題/領域番号 |
08218259
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
玉井 尚登 関西学院大学, 理学部, 助教授 (60163664)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 全反射 / エバネッセント光 / 界面層 / 相転移 / マイクロ化学 / ピコ秒分光 / 偏光過渡回折格子分光 / アゾベンゼン系液晶 |
研究概要 |
サブ波長以下の界面近傍の光ダイナミクスを解明すると共に、界面近傍の化学的性質をレーザー光で可逆的に変化させ光化学反応を光制御する事を目的とし、以下の研究を行った。 1.界面層の近赤外エバネッセント光誘起相転移 可逆的に熱相転移するアクリルアミド系高分子を用いて近赤外エバネッセント光誘起相転移を試みると共に、全反射石英基板を疎水処理することにより界面層の高分子と基板表面との相互作用を、ピコ秒エバネッセント光誘起蛍光分光法により調べた。その結果、親水性基板では界面層の高分子の相転移が起こらないが疎水性基板では相転移が誘起させ、界面一層のみの化学的性質によって界面層の高分子の相転移を光で制御できることが明らかになった。さらに、高分子の相転移の緩和時間をレーザー光のスイッチングにより測定し、バルクに比べ界面層では非常に速く緩和するというマイクロ化学現象を見出した。この様なサブ波長領域の高分子の相転移現象は通常の熱源によって起こすことは不可能であり、近赤外レーザーのエバネッセント光を用いることによりはじめて可能となる。 2.液晶界面層の光カーダイナミクス 従来、光カー効果の研究はほとんどがバルクを対象としており、界面数十nm領域の光カー効果のダイナミクスは全くといって良いほど研究されていない。ここでは反射モードの偏光過渡回折格子分光法を用いることにより、界面層十nm領域のアゾベンゼン系液晶の光カー効果をフェムト秒の時間分解能で解明することができた。その結果、界面層の配向分極はバルクよりはやく緩和している事や界面近傍における液晶分子の再配向ダイナミクスの緩和時間は温度依存がほとんど見られない事などの新しい知見が得られた。この結果は温度依存性が顕著に現れるバルクの再配向ダイナミクスと対照的である。 以上のように全反射分光法ないし反射型分光法を用いることにより、界面層に特有の光ダイナミクスが明らかになると共に、近赤外エバネッセント光を使って界面層の性質を光で制御出来るようになった。
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